ランチア・テーマ修理日記
LANCIA THEMA TURBO 16v
2005年5月11日
エアコン大修理(ほとんど作り直し)その1
ガス抜けからチャージ後様子を見ていたら、あららコンプレッサーが死んじゃいました。
オイルを足さずにガスだけ入れたことと、どうやら高圧側ホースのカシメ部分からガスが漏っていたようでした。
外車のエアコン修理はとにかくお金がかかります。
もう一台同じ車が買えるぐらい、、、、!!!
貧乏な僕には厳しいけれど、金をかけずに修理するファイトがわいてきます。
僕のテーマのエアコンはR-12フロンで、コンプレッサーはサンデンのSD709という7ピストンのモデルです。
正常に動いていたときはサイトグラスの様子とマニホールドゲージの数値からどうやらエキパン(エキスパンションバルブ)、リキタン(リキッドタンク)は
大丈夫そうなのでコンプレッサーと高圧ホースを何とかしようと思います。
いろいろ調べていくとR12用のコンプレッサーは中古でもなかなか無くて
サンデンUSAのWEBを見るとR12用のSD709の代替品はR134a用のSD7H15ということが判りました。
ガスのこともいろいろ調べていくとR12をR134aにする方法やテクニックが紹介されていますが
フロンや代替フロンでなくHC(ハイドロカーボン=炭化水素)の冷媒がいろいろあります。
海外ではかなり当たり前になって、日本でもノンフロン冷蔵庫などで使われ始めています。
利点は
フロンより分子構造が大きいので漏れにくい。
コンプレッサーオイル自体がHC系のためオイルとのなじみ性は非常によい。
低圧でも効くのでコンプレッサーへの負担が軽減し、燃費向上に繋がる。
フロンと違い化学冷媒でなく自然冷媒なのでオゾン破壊係数がほとんどゼロ。
何よりR12用のシステムでもR134a用のシステムでもどちらでも機器を傷めず使用可能とのこと。
夢のような冷媒です。
欠点は
水素なので可燃性。発火、爆発の危険性がある、しかし車の場合少量であり、漏れにくいため、その危険性は皆無。
冷却能力は若干劣る。特に真夏の炎天下などは急速に冷房することは不可。 じっくり効いてくるそうです。
もう一つの欠点は悪法のリサイクル法です。
フロンでないHCはフロン券は必要ないのですが、リサイクル法では新車時の状態で評価されるので
1.エアコンが故障してエアコン自体が取り外されていて無い状態でも
2.冷媒ガスが入っていてもいなくても、一律に加算するとの一方的法律になり
3.如何なる理由があっても払い戻しはしない。かつ
4.途中で取付けた場合は、確認して料金を加算する。
との環境省の判断だそうです。
話を戻して、HCがR12にもR134aどちらにも使えると言うことなのでHCを使うことにして
街の電装屋さんではまずやらないR12システムのままコンプレッサーのみR134aのものにすることに決めました。
しかし!
テーマ用はなかなかよい中古の(安い)コンプレッサーが無いのです。
オークションで見てみると
フォルクスワーゲンやシトロエン、ルノーなどがSD7H15を採用しています。
いろいろ探してやっとルノー・ラグナに付いていたコンプレッサーを8000円で落札。
しかし!!
同じ型番のSD7H15でもベルトをかけるプーリーの形状、ホースを繋ぐコンプレッサーヘッドの形状が車種によって違うのです。
仕方がないので壊れたSD709についているプーリーとコンプレッサーヘッドを利用して、手に入れたラグナ用と交換することにしました。
うまくいくかなあ??
今日は届いたラグナ用のコンプレッサーのプーリー外しをしました。
ヘッドはSCというタイプで、テーマはCDというタイプ、ホースが繋がる部分の形状が全く異なります。
WEBで手に入れたシリンダーヘッドのリストによるとテーマのCDというヘッドはSD709とSD7H15と共用になっているので
何とか大丈夫かと思います。
うまく流用できるか賭けです。だめならまた考えます。
テーマのコンプレッサーは高圧ホースから漏れたオイルで汚いです。
ラグナにはどうやって取り付けているのか判りません。
プーリー側です。プーリーのロックナットを外します。
プーラーを使ってアーマチュアを外します。
シム(二枚)を外します。次はプーリーベアリングを固定しているスナップリングを外します。
持っている二つのプーラーを工夫してプーリーを外します。プーリーが取れるとフィールドコイルが見えてきます。
フィールドコイルもスナップリングで固定されています。これもとりあえず外します。
今日の作業はここまで。
次の作業はテーマのコンプレッサーを外して、プーリーとヘッド交換です。
その日のうちにコンプレッサーを取り付けたいです。
配管、ガスは後回しでも、とりあえずコンプレッサー付けないとパワステベルトをかけられないので走れないのです。
次の作業は来週になります。