プライドの真贋
「男のプライド」って、なんだろう? プライドがあるから家事はしない、とか。女の下では働かきたくない、とか。そのプライドは本物だろうか。
いや、また「しゃべり場」みてたんだよ(笑)。今回は「女のリーダーは嫌われるの?」とかいうようなテーマだったけど、久々に「何一つ得るものがない」という、実に内容のない回でした。中でも道場破りとして登場した2人が、「いくら中高生だからって、もう少しちゃんと考えろよ」というぐらいに考えのない人たちでありました。
で、さ。その道場破りの男の子がしきりというわけ。「男のプライドが・・」とね。「女のリーダーは男のプライドを傷つけるから、女は男の下にたつべき」的なことをね。奇妙なのは、「男とか女とかいうことで評価しないで」的立場の子たちも、なぜか不思議とこの「男のプライド」ってのだけは認めちゃってるんだよね。「まぁ、確かに男のプライドっていうのはあるのはわかるけどさ・・」なんて具合に。
プライドって言葉は便利だ。たいていのものは「それがオレのプライドだから」で片付いてしまう。「プライドがあるから」男のオレが料理や洗濯なんかしない、なんてね。「プライドがあるから、○○なんてしない。できない」——プライドってのは、そうやってさまざまな言い訳に使われてきた。
でもね、人が口にするプライドには、「本物」と「偽物」があるんだ。そう思うんだよ。プライドというやつには、「誇り」もあるし、「驕り」もある。見栄や単なる怠け心を「プライド」というオブラートにくるんでいることだってある。「プライドがあるから・・」という、そのプライドは本物か偽物か。それを考えないといけない。
じゃあ、真贋はどうやって調べるのか。これは、実は簡単だ。「ダイアモンドの真贋鑑定」と同じだ。ダイアモンドの真贋はどうやって調べるか知っているかい? それは、本物のダイアで傷つけるんだ。本物は、どんなことがあっても決して傷ついたりなんかしない。傷つくのは、すべて偽物だ。
そう。本物のプライドは、どんなことがあっても決して傷つかない。例え道ばたでギター一本で歌い誰一人耳を傾け聞いてくれる人がいなくとも、ミュージシャンのプライドは傷つかない。例えイヤな女の上司にあごで使われても、本物の男のプライドは決して傷ついたりしない。その程度のことで傷つくのは、メッキでできたまがい物のプライドだけだ。
「えらそーにそういうけど、じゃあ、お前にプライドはないのか」って? ねーよ、んなもん。よしんばあったとしても、「ボクにはプライドがあるんです」なんて、そんなうすらみっともないセリフ、口が裂けてもいうもんか。
そもそも、「プライド」という言葉は、自分が他人に向けて言うべき言葉じゃない。本人が「オレにはこれこれこういうプライドがある」なんて人に向けて説明するような言葉じゃないよ。その人の言動を見ている他の誰かが、「あの人はプライドを持って働いている、活動しているね」というべきものなんだ。決してひけらかさない。安売りしない。他人に向けて簡単に振りかざさない。それが「プライドを持っている人間の、プライド」なんだと思うよ。
しきりと「プライド」を振りかざしていた道場破りの男の子。君のプライドは、安いんだねえ。
公開日: 土
- 1月 24, 2004 at 09:38 午前