若い頃に身につけるべきものって?
最近の若い世代は、コンサバになってるのかなあ??
ちゅうわけで、新規メンバーの「しゃべり場」の話であります(笑)。今期は、よ〜しゃべるわ。前期で、誰も何もしゃべらず「し〜ん」とした状態がよくあったけど、今回はゲストが喋るヒマすらない(笑)。ま、それぐらいのほうがいいかもね。
で、だ。今回は「みんな学校をなめてないか?」とかいったテーマで、もっとちゃんと学校に行こう、授業を受けよう、それは社会に出たときに必ず役に立つんだ、というような話でありました。確かに、つまらない授業だと思っても、卒業して社会に出てしばらくしていくうちに、「あぁ、やっぱりあれは役に立つものだったんだなぁ」と思うことってある。それは例えば、「あの授業で教えてもらったからいくら得した」とかいった明確な利益につながるものではないにしろ、なんとな〜く「あの時、教えてもらっていたよかったのかも知れない」と感じることはよくある。
個別の授業うんぬんということでなく、精神的な部分をいう人も多い。番組でもそういう意見がけっこうあった。要するに、忍耐力とか社会への適応力といった精神力を養う、とね。確かに、つまらん授業を毎日我慢して受けていれば忍耐力はつくだろうな(笑)。メンバーの中で「今、やらなくても、後でやれる」ということをいっていた人がいるけど、それは誤りだ。——例えば、「読書」というのがあるね。本を読むということ自体は、別に十代でやらなくても、大人になったってできる。だから今やる必要はない。そう思う人もいる。が、これは間違いだ。若い頃に「本を読む」ということを習慣づけておかないと、大人になっても本を読むようにはならないのだ。そういうことってけっこうある。若い頃に習慣づけていないと、大人になっていざやろうとしてもなかなかできず三日坊主で終わってしまう、そういうことは多い。そういう意味で、「若い頃はまじめに・・」というのは一つの考え方としてよくわかる。
ただ、そうやって「だから学校へきちんといくべきだ、授業もさぼらずきちんと受けるべきだ」と滔々と述べるメンバーの幾名かを見ているうちに、なんとなく「身に付く精神的な力が偏っている」という感じを抱いたのだ。——例えば、社会の中でイヤな上司とか好きでない同僚とかやりたくない仕事などに囲まれても、なんとか協調し我慢して働いていける、そういう能力を考えるなら、それは確かに彼ら彼女らには少しずつ養われつつあると思う。が、彼ら彼女らには、もっと重要な精神的な能力が決定的に欠けているように思える。それは、「反骨」精神である。
忍耐力をつけ適応能力を高め、社会の中で上から何をいわれても我慢し努力し続ける。それができる人間を「社会人として正しい姿です」と無条件に信ずることは間違っている。それは、支配する側にとって便利な人間であり、支配する側に回りたい人間であるということを忘れてはならない。だが、世の中の大半は、支配される側の人間なのだ。そして、こうした支配される側の人間にとってこそよりよい社会かどうか?ということこそが重要なのだ。「支配する側にとってよい社会」なぞ、想像するだけで虫酸が走る。
上からいわれることに疑問も持たず反抗せずきちんとまじめにこなす。それはそれで立派だが、しかしそういう人間ばかりになってしまったら、その方が社会にとって害になる。どのような組織であれ、その構成員がすべてYESマンばかりとなり自浄作用が働かなくなったときに崩壊する。それは、例えば雪印や三菱自動車が社内の批判的意見を封じた末にどのようなことになったか見ればよくわかる。社会を常によい状態に保つためには、支配する側に対し常に監視と批判の目を持ち続けなければいけない。社会の底辺に位置する者、社会の中で抑圧される弱者にとってこそよい社会となっているか否か、そうした視点を常に持ち続けなければならない。そして、そうした精神を養えるのは、社会に組み込まれる前の期間だけではないかと思う。
学校にきちんと行こう、授業をまじめに受けよう、先生のいうことをきちんと守ろう、それらは確かに正しい。が、「正しい」ことが常に「よい」こととは限らない。正しいと信じて行なっているものごと、それは一体、誰にとっての「正しさ」なのか。その「正しさ」は誤ってはいないのか。その「正しさ」よりも、よりよい「正しさ」はないのか。そうしたものの見方が、果たして「まじめに学校に通い先生のいうことをすべて守って卒業する」中で身に付くだろうか。
もちろん、もっと不真面目になれといってるんじゃないよ。ただ、最近の若い世代を見ると、どことはなしに「保守化」しているように思えてならないのだ。反抗すること、異議を唱えることを最初から諦め、「どうせなら社会の中でうまく立ち回った方がいい」といった感じで考えている人が多くなって来てはいないか。若い時代に社会に抗わなくて、一体、いつ抗うんだ?
公開日: 土
- 6月 26, 2004 at 11:54 午前