妻の一番心地いい場所


それは、キッチン。そこにいるときだけは、いつも幸せ。

この家の中でどこが一番好き?と妻に聞けば、迷うことなく「キッチン!」と返ってくるだろう。キッチンは、妻の城だ。日に何度も、眺めてはニヤニヤじゃなくてニコニコしている。いつまで眺めていても飽きないらしい。

まぁ、僕は男の中でもなぜか極端に物欲が少ない人間らしく、あんまり鍋釜を眺めて喜ぶ気持ちはよくわからないのだが、妻には妻の世界があるのだろう。妻的には、かなり理想的なキッチンに近づきつつあるらしい。(だからといって、毎晩、目をうるうるさせながら1時間も2時間も「鍋」の話を聞かされる身にもなって欲しい)

我が家のキッチンは、プロニというところにお願いしたオールステンレスのオーダーキッチンだ。実際、入れてみてわかったのだけど、ステンレスというのはログハウスにかなり合うのだね。が! 下手にいいキッチンを入れてしまったために、それまで使っていたものがどれもこれもやたらとダサく見えてしまうようになった。そして……思い出すも恐ろしい、恐怖の「買い替え生活」が始まったのだ。あぁ、どれほどの家電や鍋釜たちを墓場へと見送ったことか。(←いや、納戸にお蔵入りしたんだけどね)

そして、あこがれのステンレス製の鍋がやってきて、ようやく妻のキッチン改造計画も一区切りついたようだ。まだ、届いていない何とかいう機械がそのうちやってくるらしいが(機械だけ来て支払いが来ないといいんだが)、まぁもうやたら金のかかるものはないらしい。その言葉、一度でいいから信じたい。



キッチン全景。入り口から見ると、左側にレンジ関係、右側に流しとなる。



左手全景。
手前に作業台、奥にレンジ。


右手全景。
中央に流しがあり、その左右が作業スペースになっている。


左手の手前にある作業台付近。
ご自慢の鍋関係。クイジナートというところのものだそうだ。
上に乗っかってるのはビタントニオのワッフルメーカー。


左手奥にあるレンジはマルゼンの業務用。とにかくでかくて、ゴトクがごつい。
ガスオーブンも扉がかなり重くて「おぉ」という感じ。
換気扇はアリアフィーナ。このキッチンにはちょっと小さかったかも。


右手手前の作業台付近。
炊飯器と電気ケトルが並ぶ。
我が家は、いわゆる保温できるポットは「カッコわる」の一言でお蔵入りとなった。
代りにやってきたのがこの電気ケトル。
朝晩、食事の前にこれで必要なだけお湯を沸かす。
実際、やってみてわかったことだが、一日中保温し続けるポットは「無駄」以外の
何ものでもない。


右手奥の作業台付近。
サエコのエスプレッソマシンがでーんと置いてある。
作業台の下は、ドイツのAGEの食洗機。
ひき開けた扉の上部にスイッチ類がついていて、扉を閉めると
全く何のスイッチも見えなくなり、ステンレスの作業台と一体化する。


流しは、深さ28センチと普通のものよりかなり深い。
真ん中辺りに段差があり、そこにまな板などを置けるようになっている。
水栓はグローエ。これをつけたがために、窓が開かなくなってしまった……。


……それにしても、だ。

デザインと性能、耐久性などを考えていろいろと品を揃えていくと、そのほとんどが外国製になってしまうのはどうしたことだ。国産品は、前から使っている(金がないのでしょうがなく使い続けている)電子レンジと冷蔵庫を除けば、辛うじて妻のお眼鏡にかなったのは炊飯器のSANYOだけだ。それ以外はどんなものであれ「カッコわる」と購入対象から早々と外されてしまった。

まぁ、鍋釜の類いは僕には良くわからない。が、家電製品の類いを見ると、国産のものは、正直いって「余計なものばかりついてる」のだ。ポットはお湯が沸くだけでいい、炊飯器はご飯が炊けるだけでいい、電子レンジはただレンジ機能だけあればいい。そう思っても、そんなシンプルなものは国産ではない。みんな、やたらと「なんたらかんたら機能搭載!」みたいなものばかりなのだ。

それが便利ならいい。だがね、どんな高機能な電子レンジより、温度調整とタイマーしかない業務用ガスオーブンの方がはるかに使いやすく便利なのはどういうわけだ? なんとかマイコンポットなんぞより、ただの電気ケトルの方がお茶やコーヒーの時間を心ゆくまで楽しめるのはなぜなんだ?

本当に欲しいものなのか、それは。そう突き詰めていった結果、我が家のキッチンは、我が家にしては少し贅沢すぎるぐらい立派になり、そしてそれまでとは比較にならないほどにシンプルになった。シンプルでよいものを使う、それが今の時代、一番の贅沢、ということか。

公開日: 火 - 1月 15, 2008 at 02:55 午後        


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