忙しきおつきあいの日々


スウェーデンハウスのお住まいにお邪魔して来たのだ。

ふと気がつけば、もう2週間ほどもご無沙汰をしてました。決して、もうログハウスに飽きたとか、住んでいるうちにみるみる家が朽ち果ててしまったとかいうわけではありません。ご安心を。

ここしばらくの間、ともかくあっちにお邪魔したり、こっちにお邪魔されたりといったことが頻繁にあって、ずいぶんとばたばたした日々だったのでした。近所に住んでいる娘のお友達がうちに来て一緒に夕ご飯を食べたり、娘が勝手にあちらに押し掛けていって遊んだり。そんなこんなで、のんびりと優雅なログハウス生活についてつらつら書き綴るなどという雰囲気は微塵もなかったのであります。

「ログハウスにすると、子供が集まってくる」と工務店の社長にいわれたけど、そのことを実感する日々であります。仮住まいのマンションでは訪問客なんてまずなかったし、その前の建売住宅のときもごくたまに近所のお友達がくるぐらいだったけれど、ログハウスは「ね〜、今度、家の中見せて〜」という声が次々とかかってくるのだ。

で。昨日は、やっぱり近くに住んでいる娘のお友達宅に、一家揃って遊びにいったのでありました。そのお宅は、実はうちの親の代からいろいろお世話になっていた家で、しばらく前にはこっちの新居に遊びに来たりしていたので、今度はお返しとばかりに伺うことになったというわけ。なんだってわざわざ一家揃っていったのかというと、そのお宅が「スウェーデンハウス」だったからであります。

スウェーデンハウスといえば、北欧輸入住宅の代名詞、あこがれのハウスメーカーなわけですよちょっと。うちも展示場周りのときには何ヶ所かモデルハウスを見に行ったりしたけど、一般住宅は見たことがなかったので、「これは見に行かねばなるまい」と大挙して押し掛けたのでした。

まだ築数年ということで、新築の雰囲気を残す、すてきな3階建て住宅でありました。さすがに気密性、断熱性は高く、この季節だというのにエアコンなしで暖かなリビング。すばらしい木製サッシ、木の天井。さすがスウェーデンハウス、このあたりの住宅の中ではかなりハイレベルじゃないか?

なにより、ちょっとしたところまできれいな暮らし方をしているのが、さすがスウェーデンハウスを選んだだけあるな、という感じでありました。大昔の画集を積み重ねて台にして観葉植物を飾ったり、専用のクレヨンで窓に子供がかわいらしい絵をたくさん描いてあってそれがまた味になっていたり。やっぱり、家はあくまで「箱」であって、その中でどういう暮らしを組み立てていくか、が重要なのだよね。

が!(……さぁ、出たぞ『が』が)家に帰ってつくづくと思ったのは、「ふ。勝ったな」ということなのでありました。窓。すてきな木製サッシでした。娘さんのイラスト、すばらしかった。でもランタサルミの窓のほうが圧倒的に「素敵」ですね、はい。美しい格子、細かな陰影、ただ四角い枠だけの窓とは全然美しさが違いますです。ごめんなさい。玄関ドア、ランタの圧倒的勝ちでありました。いい感じの木製ドアだし、ドアノブなども実におしゃれなのだけど、ランタサルミの重厚なドアを知ってしまうと、かなり軽く見えてしまうのだ。そして室内ドア、比較の対象にすらなりませんです。木製ドアではあるようだけど、幾重にも凹凸が組み合わせられたランタの室内ドアとは格が違います。ほんと、ごめんなさい。

また、スウェーデンハウス自慢の断熱性能も、家に戻ってみたところ「あれ? 暖房切るの忘れてた?」と思ったぐらいに室内が暖かい。なんだ、うちと大差ないじゃん。そういえば今でも日中は暖房いらずで過ごしているわけで、どうも高起密高断熱が広まりつつある現在、「スウェーデンハウスだから飛び抜けて断熱性が高い」というほどのウリではなくなりつつあるようだ。

少なくともスウェーデンハウスも、これを建てたご夫婦も、実にセンスがいいし、このあたりでは見られないほどにいい家であることに間違いはないと思う。が、それでも、例えば1つ1つの照明、コンセントのカバーなどといったものまで細かくこだわって作るのは、やっぱり難しいのだろう。そのお宅は、おそらく初めて家を建てる、一軒目の家なわけで、それでよくここまでいいものを建てられたとは思うけれど、やはり「初めて家を建てるときにはとても思いつかなかったところ」というのがたくさんあるのだと思うのだ。

自分たちはそれほどこだわりの強い人種ではないと思っているし、ずいぶんと妥協したり「もう、これでいいよ」的に投げやりに決めた部分もたくさんある。けれど、それでも我が家は、普通の注文住宅などより圧倒的に細かな部分までこだわって作ったようだ。思えば、どこかのお宅にお邪魔して照明をぱっと見ただけで「あ、これはコイズミの○○だな」とぱっとわかるぐらいにまで、およそ日本で手に入るあらゆる照明を調べ尽くしたりしたわけで、そこまでやる人間はそうはいないのだろう。

また、「スウェーデンハウスだぞ」と気負っていった割にはやや拍子抜けしたところがあったのは、やはりこっちの頭の中で「モデルハウスで見たスウェーデンハウス」のイメージが強く残っていたためだろう。当たり前のことだけど、実際に建てる家は、モデルハウスと同じものではない。スウェーデンハウスは、標準では普通の壁紙に天井材だ。無垢の天井、漆喰や輸入壁紙にしたければオプションで追加しなければいけない。窓こそ同じものだけれど、玄関ドアも室内ドアも、モデルハウスと同じものが標準でついてるわけではない。同じレベルのものにするには、やっぱり追加料金がかかるわけだ。従って、予算を調整するとどうしてもモデルハウスよりはある程度は下のものを選択しなければならなくなるだろう。

そんなことはどこのハウスメーカーだって同じだ。モデルハウスと全く同じものが標準で入るところなんてないじゃないか。——いいえ。HONKAやランタサルミは、ドアも窓も床材も天井材も壁も、すべてモデルハウスと同じものが標準でついてきます。だから、モデルハウスで見たものが、そのまま何の追加もしないでまるごと自分の家につくのです。というか、それより下のものは存在しないのだね。だから当初に提示された予算で、何の追加もなくモデルハウスと同じ家が建つ。後で、「え? これってモデルハウスと違うものが標準でつくの? 同じものだと追加料金がかかるの?」なんてことはない。「モデルハウスで見たままの家を建てる」ということを考えると、実はHONKAやランタのほうが圧倒的にコストパフォーマンスは高いのだ。

我が家も、一応スウェーデンハウスに予算を出してもらったことがあったのだけど、うちの予算では比較にならないほどしょぼいものしか建たないことがわかってしまったのだ。だから、同じ金をかけて建てたものなら、ランタサルミの方が確実に高水準の家になる。このことは確かだと思う。——お邪魔した家は、おそらく我が家より遥かにお金をかけて建てられたものだろう。3階建てということだけでなく、かなりあちこちでこだわって作ったことがよくわかるのだ。だが、それでも「モデルハウス並み」にはならない。モデルハウスのスウェーデンハウスのイメージをそのまま再現するには、それでもまだまだお金が足りないのだ。

というわけで。スウェーデンハウス、ごめんなさい。本当にすてきな家でした。でも、やっぱりランタサルミの圧勝でした。ごめんなさい。——ま、住まいの好みなんてのはひとそれぞれだから、うちはそう感じだ、というだけであって、もちろんスウェーデンハウスの方が素敵と感じる人だって多いだろう。ていうか、世間的にはそっちが圧倒的に多いだろう。でもね、……うふ。あ〜、ランタサルミを選んでほんとよかったわ〜。うふ!


(・・・これ、幼稚園のママ友が見たらまずいよなぁ〜。ばれちゃうよなぁ。でも、事実だしなぁ。うふ)

公開日: 月 - 12月 17, 2007 at 11:01 午前        


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