最後のワンピース


それは、2脚の椅子でした。

思えば、「英国アンティーク」によるダイニングを夢見て最初の1脚の椅子を購入したのが、今から1年半ほど前、去年の春のことだ。それから家の新築が決まり、仮住まいに引っ越し、そしてログハウスへと移り住んだ。その間、夢のダイニングセットは、完成半ばのまま、ずっと「最後のワンピース」を待ち続けて来たのだった。

そして、ようやく今日、それがやってきた。ダイニングセットを形作る、最後のワンピース(いや、正確にはツーピースだが)。それは、2脚の椅子だ。これでようやくテーブルと4脚の椅子が揃った。1年半かかったダイニング計画は、ようやく本日、終了したのだった。

1脚は、妻が長いこと待ち望んだ、ヴィクトリアンの椅子。1880年代、今から120年以上も昔に作られたものだ。そしてもう1脚は、1920年代、80年ほど昔に作られたジャコビアンの椅子だ。「全部同じデザインのものをセットで買うんじゃなく、気に入った椅子を1脚1脚集めてダイニングを作ろう」ということから、揃った4脚の椅子はいずれも1つずつバラバラに手に入れたものだ。だけど、それが一堂に会すると、なんとなく統一された一つの空気を醸し出すから不思議だ。

しかも! この英国の家具でまとめられたダイニングセットは、北欧のログハウスの家に置かれるのだ。それなのに、なんとはなしに家に溶け込んでしまうのだから愉快じゃないか。格式張ったことで有名な英国の椅子が、ログハウスの中ではのんびりとラフに使えてしまう。ログハウスってのは、本当に懐が深い。



1880年代のヴィクトリアン・スタイルの椅子。
大きな座面が、実に心地よさそう。
これは、妻のお気に入りの椅子なのだ。


こちらは、1920年代、ジャコビアン・スタイルのもの。
座面は50年代のイタリアのヴィンテージサテンに張り替えてある。
こちらはパパの椅子になる、のかな?


ようやく完成を見た、我が家のダイニング。
娘が大きくなって子供椅子を卒業する日が来たら、
4脚揃って置かれることになるのだろう。


これは夜、食事が終わった後のダイニング。
ガレの照明は落ち、キッチンと吹き抜けから明かりが漏れる。
なかなかいい味の室内になってきた。

公開日: 木 - 11月 29, 2007 at 03:50 午後        


©