輸入住宅としてのログハウス


ログハウスは、もっとも安い、本格的な輸入住宅かも知れない。

前回のブログでもちらっと書いたんだけどね。

このブログにも書いたけど、うちはもともと「輸入住宅」を建てたくて、いろいろとハウスメーカーなどを回るところから家作りが始まった。で、気がつけば「ログハウス」なんてものに決まってしまったのだけど……。周りから見ると「全然、別のものを建てちゃった」というように見えるかも知れない。が、実際に住んでみると、実は「同種類のもの」であることがよくわかるのだ。

そう。ログハウスは、実は「輸入住宅」の一つなのだ。

といっても、いわゆる「丸太小屋」のようなログハウスは、さすがに別のものと考えざるを得ないだろう。僕がいっているのは、我が家と同じ「マシンカット」のログハウスのことだ。マシンカットというのは、機械でログ材を加工して組み上げるもので、いわゆる丸太っぽい要素は全くなく、見た目は「天井も床も壁も無垢の木で造った家」というだけであり、あまりログハウス臭はしない。

このタイプのログハウスは、ほとんど他の輸入住宅と違いがない。といっても、もちろん「古い英国住宅」などとそっくりにはならない。いわゆる「北欧系の輸入住宅」と考えればいい。ここ数年、「おしゃれな家でおしゃれに暮らす」例として常にあげられる、スウェーデンハウスに代表される系列だね。

「そうはいっても、スウェーデンハウスとログハウスじゃ、全然違うでしょ」と思うかも知れないので、ここで「ログハウスがいかにしっかりした輸入住宅か」についてちょっと整理してみたい。


・外観は、オール「木の外壁」の家
ログハウスというと、大抵の人が山小屋のようなものをイメージするようだ。うちも、娘の幼稚園のママ友などにその話をすると、たいていは「アルプスの少女ハイジがおじいさんと暮らしていた山小屋」みたいなものを想像するらしい。——が、それでうちの近所を通って探したりしても「え〜、どこにあるの? 近くを通ったけど見つからなかったわよ」となるのだ。

実際に、「ほら、この家だよ」と教えると、「え? だって、ログハウスっていったじゃない?」的な反応を多くの人が示す。我が家の外観は、どうみてもログハウスには見えないらしいのだ。——いや、違うよ。これがログハウスなんだってば!

ともかく、あなたが頭の中にイメージしているログハウスのイメージを、まずはきれいに消しゴムで消して下さい。そして、スウェーデンハウスのような北欧住宅をイメージして下さい。それが「現在のログハウス」に一番近いイメージです。そう思って間違いないです。

(※ただし、これはHONKAやランタサルミといいった「デザインセンスのいいログハウスメーカー」の場合です。今でも、山小屋に毛のはえたレベルのログハウスしか建てられないメーカーは、残念ながら多数存在します)

・建具の質の高さ
北欧系輸入住宅と、それ以外の輸入住宅の一番大きな違い、それは「建具のレベルの差」だろうと思う。実際、ハウスメーカーを巡った時期には、三井、東急といった大手から、フロンビルという超高級指向のところまでいろいろと検討した。が、多くの輸入住宅メーカーの「窓」や「ドア」は、正直いってかなりレベルが低い。いや、そういうと語弊があるかな。「標準で入れられるもののレベルはあまり高くない」ということ。まぁ、フロンビルはさすがに標準でマービンの最高のものを入れていたけど、他はあまり高級なものは標準では入ってない。

三井・東急で建てた家を見ても、けっこう多くは木製サッシでさえなかったりする。もちろん、いいものを入れることはできるけれど、それは価格に跳ね上がる。窓やドアは、直接暮らしやすさとつながる部分ではない(と思われがち)ので、予算に限りがあるとつい「まぁここは我慢するか」となってしまう。

が、実際に建てる過程で気がついたのだけど、輸入住宅のレベルを決定づけるのは、実は「屋根」と「窓」と「ドア」なのだ。この3つがしっかりと質の高いものになっていると、家そのものの質も高く見える。これらを安く済ませると、家そのものが安っぽい「輸入住宅のまがいもの」になってしまうのだね。

その点、HONKAやランタサルミの輸入住宅は、標準で最高品質の建具が入る。さすがに北欧だけあって、まるで冷蔵庫のドアのように重厚で、熱も音もしっかり遮断する。スウェーデンハウスの3重サッシにも引けを取らないものだ。しかもこれらは「DK窓」といって、2通りの開け方が出来る(縦に開けるのと、横に全開するのと両方出来る)ため、非常に使い勝手が良い。くるりと回転するだけしかできないスウェーデンハウスの窓より、この点は上じゃないだろうか。また、桟や脱着可能な網戸も標準でつくので安心だ。

・オプションの追加が不要な内装
輸入住宅の内装というのは、「飾り」が命だ。どれだけ飾りにお金をかけられるかで、輸入住宅「らしさ」が決まる。どんなに立派なメーカーでも、「国産の壁紙、合板の床、クロスばり天井、モールディングなし」では、そこらの建売と変わらないものになってしまう。輸入住宅が「金をかけるだけ本物らしくなる」、逆に言えば「金をかけないと安っぽいまがいものができてしまう」といわれるゆえんだ。

スウェーデンハウスは北欧系の輸入住宅の中でも特におしゃれなイメージがあるが、ここは実は標準では「合板の床に国産のクロスの壁と天井」だ。無垢の木の床と天井、輸入壁紙などにすると、それだけでぐん!と金額が跳ね上がる。うちも見積もりをしてもらったのだけど、合板に国産クロスでさえ、うちの予算では延床面積を35坪以下にしないと収まらなかった。他のハウスメーカにしても、基本的には「標準は合板と国産クロス」で、もっとよくしたければ追加追加で予算を増やしていかないといけない。

これがログハウスとなると、当たり前だが最初から「床、天井、壁、すべて無垢の木」である。またHONKAやランタサルミでは、床や天井のモールディングも標準で入っている。これが標準仕様で、これ以下はないのだ。そして、この仕様で、うちの予算でも40坪近いものが建つのだった。——また、多くの場合、ログハウスは2階部分はツーバイフォーと同じような構造になっているため、「1階はログハウス、2階は輸入住宅風」にすることも可能だ。実際、我が家の2階の居室は、1面だけ珪藻土の壁にしてある。

(本当は、2階はすべて珪藻土で腰板を回してもっと本格的な輸入住宅風にしようと思っていたのだけど、実際に見てみると、すべて木の方がすてき!と思えるようになっちゃうんだよねぇ)

・見えない部分の「本物」感
これは、ドンナハウスの営業さんにいわれたことだ。そこでは、構造材にはダグラスファーという最高品質の材を使うのだけど、予算的にきびしいときにはやむなくもう少し安いものを使うこともある。もちろん、構造材であり、外部からは全く見えない部分だ。だけど、「見てみると、ダグラスファーで建てた家より、なんとなく軽く見える」というのだ。

そんな非科学的な話があるもんか、けっ。——と、思うだろう。が、実際にログハウスを建ててみると、なんというか、そこいらの家と比べると明らかに「本物感」が違うのだ。ある程度、あちこちの輸入住宅を見て回って、目が慣れてくると、こういう「本物感」というのを感じるようになってくると思う。通りがかりに見ただけでも、なんとなく「本物っぽさを感じる家」と「まがいものっぽい、安っぽい感じがする家」というのがあるのだね。

人間の五感は、実は考える以上に繊細で高度なものなのかも知れない。見た目にはほとんどわからないような微細な差が、全体の「印象」という形で私たちに伝わってくるのかも知れない。

輸入住宅の場合、それは構造材の品質や断熱材といったものが本物感を醸し出しているのだろう。が、ログハウスの場合は、そもそも「壁はすべて木」だ。構造材も断熱材もない。ただ、「木だけ」の分厚い壁なのだ。「普通の住宅の5倍以上もの木を使っている」という事実が、ログハウスの本物感を醸し出しているんじゃないだろうか。


——ともあれ、実際にあちこちの輸入住宅メーカーで見積もりをしてもらった、その結果で見れば、「総無垢の床・壁・天井」で比較した場合、ログハウスは圧倒的に他のメーカーよりも安い。スウェーデンハウスよりも三井よりも東急よりも、「同じレベルの家」ならば、遥かに広いものが遥かに安く建てられる。これら輸入住宅メーカーで「合板の床に国産壁紙の家」しか建てられない予算で、「床・壁・天井すべて天然木の家」が、しかもはるかに広い家が建つのだ。

輸入住宅、特に北欧住宅を考えている方。ぜひ、HONKAかランタサルミの「マシンカット・ログハウス」も検討してみてはいかが? 一度、どこかで実物を見れば、僕のいっていることが大げさでないことがわかるはずですよ。ログハウスと思わず、「最高の北欧輸入住宅」と考えて、ぜひ一考してみて下さい。

公開日: 水 - 11月 21, 2007 at 10:56 午前        


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