脱「洋食の不毛地帯」なるか?
レストラン・ベルクール。「市原の洋食は全滅」という我が家の定説を覆せるか?
かなりショックだった……。未だに少し、尾を引きずっている。けど、ようやくブログに書くぐらいにまで復活したので書く。
何がそんなにショックだったのか。それは、「田中屋レストラン」である。——市原に住む人間なら、そして「うまいものが食べたい!」と常に触覚を伸ばしている人なら、おそらくこの名を知らないはずはない。肉の田中屋が転身して開いたレストラン。ちょっと検索すればあっちのブログでもこっちのブログでも絶賛の嵐。市原を代表する洋食屋、それが「田中屋レストラン」なのだ。
いつ行っても大混雑でなかなか入れないという噂。いつかは行ってみたい。そんな初恋にも似た感情を抱きつつ幾星霜(実際には半年ほどだけど)。ようやく、先週末、家族揃っていくことができたのだ。
惨敗。
……一体、何だったのだ、今まであちこちで見聞きした前評判は。肉は、固くて臭く、しかも完璧に調理に失敗している(ステーキの焼き方、知らんのかこいつら)。ハンバーグは完璧に焼きすぎて焦げている。何もかもが「ダメ洋食屋」の典型なのだった。あぁ……、あんなにも憧れていたのに。オレの青春を返せ! 海に向かって絶叫したい心境なのだった。
そして、リベンジ。洋食屋の借りは、きっちりと洋食屋で返してもらわねばなるまい。そう思って出かけた「ラ・メゾン」。これまた、そこそこ評判のいい老舗のレストランだ。店の雰囲気もなかなかで、店員もベテランぞろいといった感じ。だが……。いや、悪くはない。悪くはないんだ。ただ、「すばらしい」わけでもない。どこにでもありそうな、街の洋食屋。可もなく不可もなく、まぁ及第点を行ったり来たりといった感じ。
「市原は食の不毛地帯」という人がいる。これには、賛成しかねる部分がある。少なくとも、パン屋とケーキ屋に関してはなかなか頑張っている。が、洋食に限っていえば、確かに「洋食の不毛地帯」なのかも知れない。
市原に燦然と輝く、洋食界の希望の星だった「オスティア」は、今年の冬、閉店してしまった。それ以来、「オスティア」に代わるべき店を、ひたすら探し続ける日々(←超大げさ表現)が続いた。だが、それは未だに見つかっていない。せいぜい、オスティアより数段劣るがまぁ十分楽しむことはできるラ・マッシリアぐらいだ。「これは?」と噂を聞きつけ出かけては失望して帰ってくる、その繰り返しの日々。
が、しかし。希望は捨ててはいない。今年、東国分寺台にオープンした「レストラン・ベルクール」。カジュアルに楽しめるフレンチのお店だ。ここは、いい。1200〜1300円ほどのランチでフレンチを満喫できる。しかも味もなかなか。これから定番となりそうな予感だ。ひょっとしたら、「市原の夜明けは近い」のかも知れない。夜明け前が一番暗いともいう。今の、市原洋食界のどよ〜んとした暗さは、その前兆なのかも知れない。
いい店も、こうしてときどき出てくる。ぺんぺん草とドクダミだらけの薄暗い裏庭に、たまに美しい花が咲くように。だが、せっかく開いた花も、すぐに枯れ、ドクダミばかりがはびこるのでは「食の不毛地帯」といわれても仕方がない。市原に住む人々よ、聞け。
書を捨てよ、ランチに行こう!
ファミレスに絶縁状を叩き付け、自らの舌だけを信じ、旅立つのだ。
吉報、待ってるよん。
公開日: 火 - 5月 27, 2008 at 03:16 午後