40年ぶりの雛祭り


長い休暇を経て、久しぶりに晴れ舞台に登場した、人形たちでした。

もう過ぎた話だけど、備忘録代わりに書いておこう。

3月3日は、ひな祭り。ひな祭りといえば、ひな人形だ。だいたいどこの家でも、初めての娘となると、相当な大金をかけてきらびやかなひな人形を揃えるらしい。が、うちの娘のそれは、ずいぶんとすすぼけたものだ。それもそのはず、何しろ半世紀近い昔のものなのだ。

昨年、自宅を新築するにあたり、それまで建っていたボロ屋を解体したときのこと。業者さんが「これ、どうします?」とでかい箱を持って来た。中を見ると、ひな人形。どうやら、「開かずの押し入れ」の奥深くに眠っていたものを見つけたらしい。

それは、うちの姉が子供の頃に飾っていたものだった。といっても、僕の記憶が確かなら、飾っていたのはせいぜい姉が小学校低学年の頃まで。ざっと40年ほど、押し入れに眠り続けていたことになる。まぁ、こうなったのも何かの縁、せっかくだから一度くらいは飾ってみよう、なにぶん、ひな人形も高いしね、というわけで、夏の間、仮住まいのマンションのベランダでひたすら虫干しし(すさまじいかび臭さだったのだ)、そして今回、ようやく部屋の一角に飾られた、という次第なのであった。

決して高価なものではない。ブルーカラーだった父親の給料からすれば、まぁ人並みほどのものだったに違いない。お内裏様とおひな様以外は、顔も髪もけっこう手を抜いている感じもする。が、全部揃って並ぶと、それなりに立派に見えるのが面白い。

それにしても、その昔に、わずか二間しかない社宅の狭い部屋にやってきた人形たちが、長い眠りを経て目を覚ましたら、まさかログハウスに飾られることになってしまったとは。本人たちもさぞかし驚いたことだろう。さて、来年はどうするかな。やっぱり、新しいきれいなおひな様を買ってやりたい気もするし、もうちょっとこいつらに晴れ舞台を提供してやりたい気もするのだが……。


40年を経て、また飾られることになったおひな様たち。
それにしても、人形の飾り方って、どうなってたっけ?
誰がどこに並ぶんだか、何を持っているんだか、まるでわからないのであった。


お内裏様とおひな様はこんな感じ。
うーん、ぶれててよくわからんな。

公開日: 月 - 3月 3, 2008 at 03:36 午後        


©