ハーブ・コレクション?



ラベンダーを買ってきた。既に玄関の脇にはフレンチラベンダーがあるんだけど、それとは別に、嫁が「すてき!」というのでブリティッシュラベンダーも入れることにしたのだ。よく見比べると、葉の形もだいぶ違う。ラベンダーと一口に言ってもいろいろとあるもんだな。その他に、においすみれというのも2つほど買った。これは薄紫の柔らかい色合いの花で、名前の通り香りがとてもすてき。ヴィオラの脇に入れてあげることにした。

ふと気がつくと、我が家の庭は「あっ!」というまに植物でいっぱいになりつつあるのでした。特に、あまり日当たりがよくないせいか、ハーブ関係が多い気がする。セージにミントにタイムにラベンダーにラムズイヤーにローズマリー。月桂樹やマートルなども葉は使えるから、どうやら我が庭は「葉っぱ系ガーデン」となりつつあるらしい。

知らない草花ばかりなので、暇を見てインターネットで検索したりしていたんだけど、ハーブというのは実に種類が多いものだね。どれも割合日陰などで育つ。花も、豪華というよりは野に咲く素朴な感じのものが多い。——嫁がいっていたけれど、もともとハーブっていうのは、わざわざ買ってきて大切に育てるようなものではなくて、ほとんど雑草に近いものだったんじゃないか。家の周りに生えているそれらの草花を、ときどき摘んできては食卓に添える、そういうものだったんだろう。

思えば、春になるとつくしやゼンマイを採りに山に出かけたり、道ばたのよもぎを摘んできて草餅を作ったり、紫蘇の葉をもいできて漬けたりと、日本でも「野山の草花」が食卓に上ることはけっこうあった。今や、そういうことができる環境にある事自体が、ぜいたくとなってしまったんだな。ハーブは乾燥し袋詰めされたものを買ってくるものとなり、ゼンマイやワラビは水煮となったものを買ってくるものとなってしまった。今の子供は、魚は切り身の状態で泳いでいると思ってるなんて冗談があるけど、あながち笑っていられないよ。

「お昼ご飯に使うから、お庭から葉っぱを摘んできて頂戴」——母親が子供に、そんなふうにいえる生活というのは、ぜいたくなものなんだな。ほんの形だけでも、そういう暮らしができるような庭を造りたいものだ。





   ※石のステップの西側に植えられたラベンダー。

公開日: 日 - 3月 7, 2004 at 05:10 午後        


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