雨降って屋根かたまる


ものすごい雷雨の後、屋根はできあがっていたのであった。

夕方、4時を回った頃だろうか。

突然、むらむらと黒雲がわき、気がつけば強烈な俄雨。そればかりか、そこかしこから稲妻の光と雷鳴が。「いや〜、すごいな。少しはこれで涼しくなるかな?」などと能天気に考えていたこちらを見透かしたように、すぐ目の前に強烈な光と轟音が。

落ちた。たぶん、すぐ目の前のどこかに。直後、水道が死ぬ。どうやら落ちた影響でマンションのポンプが止まったらしい。慌てて管理会社に電話する。——どうもあたりにいくつも雷様が落っこちてきたようだ。こりゃ、建築中のログハウスに落ちたりしてないだろうな。

「水も出ないのに、どうやって夕食の支度すればいいのよっ!」と切れかける妻を残し、チビをつれて現場へ直行。もし火柱があがっていたらどうしよう、などと考えていたのだが——とりあえず、燃えてはいなかった。それにしては屋根が赤茶けているが・・・・。

そう。屋根が完成していたのであった。まだ、使い残しらしい屋根瓦がいくつか屋根に乗っていたが、ほぼ一通りの屋根張りは終わったらしい。どうやら、あの豪雨の前にはあがっていたようだ。よかったよかった。

それにしても——。新居は、形としては「平屋+屋根裏」という感じになっている(ログハウスだからね)。だから、総二階の家よりは低く、平屋よりは高い、というなんとも中途半端な高さになっている。だが、全体に瓦がつくと、思ったよりも堂々とした態であることがわかってきた。かなりな急角度で、しかも相当低いところまで屋根がかかっているので、けっこうな迫力がある。昔の農家などの大屋根のような、なんともいえないどっしりした感じがあるのだ。瓦を選んだ甲斐があった、とつくづく思ったのでありました。

すべての屋根瓦がついて、ようやく家らしくなった。まだ職人さんが残っていたので中までは入らずに戻ったのだけど、ちょっと一安心な一日でありました。


p.s.
マンションに戻ってしばらくして、無事、水道は息を吹き返した。
おかげて僕らは普段より少し遅れて駿河湾の海鮮丼にありつけたのでした。


赤茶の屋根瓦がきれいに並ぶ屋根。だいぶ家らしくなってきた。


ほぼ完成した屋根の感じ。やっぱり瓦はきれいだね。


屋根の接合部分。板金加工されているんだね。

公開日: 月 - 8月 20, 2007 at 07:44 午後        


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