汚れっちまったログ壁に


汚れっちまったログ壁に 今日も小雨の降り掛かる
汚れっちまったログ壁に 今日はカビさえ生えしきる

7月中旬。ログ組開始。

ログハウスってのは、普通の家と建て方が違う。普通の家は、だいたい柱を建てて屋根をかけて(これが上棟)、それから壁を作り始める。が、ログの場合は、一番下の「壁」から順番に積み上げていくわけだ。下から順に作っていくので、屋根がかかるのは開始してから1ヶ月後ぐらいだという。その間、ひたすら雨が降らないことを祈る日々が続くわけだ。

同時に、ぼちぼち我が家の「現場詣で」も始まった。毎日、缶コーヒーを差し入れにいって、どこまでできたか確認して帰ってくる。なんでも、大工さんへの差し入れは「甘〜い缶コーヒー」と相場が決まっているんだそうで、無糖ブラックなんぞを差し入れようものなら柱が一本消えてなくなるという(いわない、いわない)。ま、ログハウスは柱なんてないからいいんだけど、ログを一段抜かれたりしたらコトだから、スーパーで大量に買い込んだ安売りの缶コーヒーを持って日参することにしたわけ。


1日で、ざっと3段目ぐらいまで建った?

当初、ログ組みはなかなか順調だった。毎日見る度にログ壁が伸びていく。実際、建ってくると、なかなかに立派な家だ。ログ壁ってのは、けっこうな迫力がある。なにしろ、上から下まで全部、みっちりと、木、木、木。木だけで出来てる壁だからね。そのへんの「柱だけ木で後は合板」の家とはわけが違うのだ。えっへん。

・・・が。数日後。1階のログ壁がほぼあがったあたりで、やつはやってきたのだった。しばらくこの近所を留守にしていたはずの、「梅雨」というやつが。週末、現場が休みの期間を狙って、やつは来た。朝から晩まで、雨、雨、雨。霧雨大雨俄雨。仲間を連れ立って波状攻撃ときたもんだ。

休みの日、おそるおそる現場を見に行く。床下の基礎にはどよ〜んと水たまりが出来ていた。ログ壁はびっしょりと濡れ、そこかしこに・・・まさか、カビ?!

まぁ、ログの屋根がかかるまでに1ヶ月はかかるわけで、その間、1度や2度は雨にたたられるもんだ。と気楽に構えている夫に、妻がキレた。「冗談じゃないわっ! こんな腐った家なんかいらないわよっ!」と啖呵を切ってみせる。

どうやら、普通のハウスメーカーなら当然やっているはずの養生をやっていないで、丸ごと雨にまみれていたのがえらく癇に障ったようだ。まぁ、ログハウスだし屋根がないと雨よけのシートもかけられないし・・・と慰めたところ、どこからか検索してHONKAのログハウスではきちんとシートをかけて養生していることを調べだしてきた。「こんな意識の低いところで家なんて建てたくない。今からキャンセルできないの!」と叫ぶのであった。

うーむ。まぁ確かに「雨にぬれないようにする」のと「濡れるようにする」のとでは、ぬれないようにしたほうがいいことは確かで・・・。更には、床下の基礎の上に水たまりが出来ているのも腹が立ってしょうがないらしい。

風雲急を告げる掌田家建築現場なのであった。

公開日: 日 - 7月 15, 2007 at 01:41 午後        


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