免許取得!


本日、本試験を受けて免許をとってきた。しかし、なんなんだあの財団法人は。

本日、免許センターにいって自動車免許の本試験を受けて来た。で、無事に免許を取得できました。パチパチパチ。自分の採点では95点ぐらいで「ぎりぎりかな」と思ってたんだけど、後で聞いたら合格点って90点以上だったのね。(95点以上だと思っててちょっと焦った)「な〜んだ、10問も間違えても受かるんじゃん。これなら誰も落ちねーよ」と思ったものの、帰りの電車を待っているときにヤンキー風のにいちゃんがケータイで「やっと受かったよ〜。うん、7回目。6回落ちてさ〜」と大声でダチに報告しているのを聞いて「なるほど。落ちるやつは落ちるのか」と思ったのでした。

それにしても、この本試験、なかなかにイヤな問題だね。ざっと見たところ、かなり判断がわかりにくいところが5点ほど、教習所で教えないような意表をついた設問が2問ほど、そして明らかに「ひっかけ」とわかる問題が5問ほどあった。これらにすべて引っかかると、ぎりぎりで落ちるようになってるわけだな。はっきりと「落とすための試験」であることがわかる。正直、何を目的に出題しているのかわからない感がある。

そして。ちょっとイライラしているところに追い討ちをかけるような出来事があった。——合格発表の後、一室に集められるのだけど、そこで机につくと、そこに何かの用紙が。見ると「交通安全協会入会申込書」とある。——そしておもむろにやってきたのは、交通安全協会の人間。そして免許交付までの間、協会の説明と申し込み方法などを事細かに説明し、それが終わると廊下で受付を開始したのだ。免許を交付する、その場で入会をさせるのだ!

当然、すぐさま席を立って外に出て、時間がくるまで暇をつぶしてから戻ることにした。一歩間違えれば、「免許を取ったら、これに加入しないといけないんだ」と思い込みかねない。いや、明らかにそれを狙っているとしか思えない。しかも受付をやっていたのは、免許センターの制服を着た事務員である。ということは、免許センターの職員が、交通安全協会の申し込み事務を代行しているということだ。交通安全協会は独立した財団法人であり、免許センターの一部門ではないぞ。

なぜ、「国家資格の本試験」という場所に一財団法人だけが特別に入り込んでいるのだ。例えば、合格した人間を一ヶ所に集めて、トヨタの社員が「皆さん、車はトヨタにしましょう」などとやることはまず考えられないだろう。JAFがこの場で教室を借りて会員募集活動をすることもないだろう。オートバックスがチラシを配ることもありえない。なぜ、交通安全協会だけが、免許取得の手続きの一部に入り込んで入会活動を行っているのだ?

自動車免許以外の国家資格で、こういうことはありえるだろうか。例えば、医師国家試験の合格発表の際に製薬メーカーなどが宣伝をすることはあり得るだろうか。そう考えると、交通安全協会の異常さがよくわかる。車の免許はごく一般の人が当たり前のように取得しているものとはいえ、これは国家資格なのだ。国家資格の取得に、特定の団体がこんなに深く関与しているのは正しいあり方なのか?

考えて見えれば、教習所で配られる冊子も全日本交通安全協会が出版していたし、免許更新の講習も交通安全協会が委託代行している。この交通安全協会はほとんどの幹部が警察のOBで、「警察を定年退職したら交通安全協会に再就職」という道ができあがっている。そして「皆さんの入会金でさまざまな交通安全活動を」などといっているが、実は入会金のお金などたいした額ではなく、収入の大半は補助金(要するに我々の払った税金)と、そして講習事業収入と雑収入(要するに、警察から独占的に委託された講習と教習所で配布される無用な冊子による収益)だ。誰も入会金なんて払わなくったって、警察関係から独占的に委託された事業で十分金になってるのだ。そして、当然ながら決算は大幅な赤字を出し続けている。それでも倒産はしない。いざとなれば税金で穴埋めされるのだろう。・・・一体、なんなのだ、この財団法人は。こんなもんつぶして、民間に競争入札させれば、内容もましになって、はるかに交通安全に効果があるんじゃないのか?

免許が取れたのはよかった。が、正直いって、不快なことの多い経験だった。まぁ、「世の中にはまだこんなバカげたことが横行している」ということを知ることができただけでもよしとするしかない、か。

公開日: 水 - 9月 1, 2004 at 03:44 午後        


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