初ドライブ


レンタカーを借りて、実家までいってきたのだ。

今日は、実家の父がショートステイから戻ってくるので、その際にケアプランの説明をしたいということで実家まで出かけることになった。普段なら、娘まで連れて行くとなると大騒ぎになるのだが、よく考えてみれば、既に免許があるのだ!(車はないけど)というわけで、駅前でレンタカーを借りて来て、車で行ってみることにした。免許を取って、初の遠出だ。まぁ、「遠出」ったって車で1時間ほどなんだけど、ほやほやの若葉君にとってはかなりの遠出なのだ。

借りて来たのは、トヨタのデュエットというやつ。40過ぎの男が運転するにはかわいらしすぎる車だ。でも安いからこれでいいのだ。道は、ほとんどが高速下をそのまま走っていくだけなので、それほど複雑でもない。思ったよりも簡単にたどり着けた。途中、ちょっと道を間違えて大回りしたりしたけど、まぁオッケーでしょうこのぐらいは。

実家までは、電車だと、接続が良ければ1時間かからないが、悪いと1時間半ぐらいは平気でかかる。また電車だと、駅からのタクシー代まで含めれば3人で5000円ぐらいはかかるけれど、車だとガス代は600円ぐらいだ。まぁ、今回はレンタカーだったから5000円ほどかかったけど、自分の車なら安上がりだ。——とはいえ、車を保持していくのにかかる費用を月当たりにならしていけば、ざっと見積もって平均2万ぐらいはかかってるわけで、そうなると費用の面だけで「車の方が経済的でいい」ともいえないだろう。

ただし、どっちが楽かといえば、それは圧倒的に車の方が楽だ。嫁の場合は、特に。単に「駅まで歩かないで済む」とか「必ず座れる」ということだけでなく、子供が泣いたり眠ったりした場合のことを考えると、電車と車ではかなりの違いがある。運転手「以外」の人間にとっては、圧倒的に車は楽だ。

だが、運転する本人は、車だからといってそれほど楽でもない。「それは慣れの問題さ。慣れれば車の方が楽だぞ」という人もいるだろう。だが、そういうことではない。いや、自分の運転の疲労というのはさほどない。今回はオートマだったので運転そのものはかなり楽だった。精神的な疲労の大きな要因は、「自分以外の人間の運転」だ。

信号待ちで、横方向の信号を見ながら、じりっ、じりっと停止線から進みだすやつ。法定速度60キロの国道で60キロで走っている僕を猛烈な勢いで追い抜いていくやつ。ウインカーも出さずいきなり前に割り込んでくるやつ。これは千葉だからなのだろうか。どこでもこんな運転が当たり前なのか。なぜ、みんなそんなにも急ぐのだ?

僕は、「急ぐ理由がある人間」についてはある程度寛容だ。例えば、今回、国道では猛烈な速度で次々と追い抜いていくダンプにたくさん出会った。信号待ちをしているときなどは、「前・ダンプ、右・ダンプ、後ろ・ダンプ」という「ダンプの壁」に囲まれたことも何度かあった。が、彼らは急がないといけない。彼らは、法を犯してでも早く大量の荷物を運ばなければ暮らしていけない。こういうのに「スピード違反は危険だ」などといっても無駄だ。彼らは、食うために法を犯している。それは確かに違法だが、しかし彼らを責めるわけにはいかない。責めるべき相手は他にいるのだから。

が。「急ぐべき理由」を持たない、ごく普通の乗用車や、しまりのない顔をした大学生のにいちゃんについては我慢できない。——千葉というところは、交通事故のワースト3に入る県である。常に、北海道・愛知とトップを競い合っている。その現実をひしひしと感じるのだ。こんな奴らの運転に巻き込まれ、自分だけならまだしも子供まで巻き添えになったら・・そう思いながらの運転は精神的にかなりつらいのだ。

頼む、千葉のドライバーよ。もう少しだけ節度ある運転をしてくれ。最高速度60キロの道を60キロで走れなんて無理はいわない。せめて、80キロ以内で走ってくれ。君が運転しているのは、新幹線じゃないんだ。

公開日: 月 - 9月 6, 2004 at 06:39 午後        


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