幼児の英会話教室
・・の体験教室というのにいってきた。
お勉強ってより、ま、児童館みたいなものだね。でも金はとるんだが(笑)。
基本的に「幼児教育」というのに懐疑的だ。なので、「なにも1歳から英会話なんて・・」と思っていた。昔は、だ。でも、いざ自分の子供ともなると「やっぱり早いうちからの方がいいよな」なんて思ってしまうのは、どこの親も一緒だね。
で、ミネルヴァというところの1歳から始められる英会話教室の体験教室にいってきたのでした。が、いってみると、他に予定していた人はキャンセルとかで、きたのはうちの娘1人だけ。「こりゃ体験教室じゃねーだろ」と思ったが、一応最後までつきあってきました。とりあえず、教室の中身がどうかはおいて、自分に英語力がまったくないことはよくわかった(笑)。
前に世界文化社が子供向けの本の全集を売りつけにきたときもそうだったんだけど、最近の幼児向けの教室の類いは、「子供の成長」とかをグラフなんかで見せて、「1歳までに脳の4割は完成してしまうんです。3歳までには8割ができあがってしまうんです。5歳までには15割ができあがるんです。うんぬんかんぬんなんです」と、いかにも科学的に実証されています的説得の仕方をする。そういわれると、親としては「このまま幼稚園に行くぐらいまで放っておいたら、うちの子はバカになってしまう」と怖くなってしまう。誰しも、自分の子供にだけは苦労はさせたくないものだ。もし、今から数年で頭がぐぐっとよくなるなら、多少の金は工面しようという気になる。親というのは弱いものだ。
が。例えば、野口英世が3歳の頃、絵本や積み木や英会話ビデオがあったろうか。マザーテレサは幼児教育の教室に通っていただろうか。「ああいう偉人は例外だ」というなら、ではなぜ子供の頃の劣悪な環境にも関わらずすぐれた大人に成長する人がいるのだろうか。逆に、りっぱな教育を受けてきた中に、昨今のわけわからん犯罪を犯すような人間が出てくるのだろう。
例えば、今のアフガニスタンやイラクに、幼児を誘拐していたずらしたり、小学生のパンツを1万円で買ったりする人間はまずいないような気がする。すぐれた環境を与えられた人間がすぐれた人間に育つとは限らない。逆に、劣悪な環境に育った人間が劣悪な人間になるわけでもない。
人が成長するのに「環境の整備」は確かに必要だ。だけど、環境はあくまで環境であって、その中でいかに成長するかは、環境とは別の何かによって決まるのではないかと思う。それは、例えば親の愛情であったり、友達との出会いであったり、本との出会いであったりするのだろう。少なくとも、環境を整備したからといって、「これで子供は優秀な人間に育つ」と錯覚してはならないはずだ。
英会話教室はどうするか。たぶん、断ることになるだろうと思う。が、大事なのは英会話教室に通わせるかどうかでなく、そうして整備した環境の中で、我々夫婦はこの子をどう育んでいくのか、ということなんだろう。環境が人間を作ると錯覚してはならない。環境の中で、人間が人間を作るのだ、きっと。
公開日: 水 - 12月
24, 2003 at 06:06 午後