春は、ムシの季節?


皆様、暖かくなってそこいら中をムシが飛び交っております。え? いや、パソコンの中の話ね。

皆さんのところ、最近、多くないですか? ウイルスメール。3月末頃からかなあ、日に十数通とかどっとくるようになってしまった。この1〜2日は静かだけど、暖かくなってウイルスも活発に活動し始めたのかしら?

非常に困るのは、ウイルス添付メールより、「あんたからウイルス付きメールが送られてきたよ」という警告のメール。最近のウイルスは送信者を偽装するもんだから、出した覚えがなくとも「あんたのメールアドレスから来たよ」って警告がどかどか届く。自分じゃないとわかってはいても、とっても気持ちが悪い。とりあえずMac OS XもWindows XPもセキュリティアップデートはすべてやってるし、Windowsからは絶対にメールの送受はしないようにしてるし、一応全てのマシンはルーターの内側にあるから、よっぽどのことがない限り、自分が加害者になることはないと思うんだけど、こう頻繁に来ると、「ひょっとしたら・・」なんて思ってなんとなくウイルスチェックをしてみたりするのであった。

ウイルスが怖いのは、「自分が加害者になっていることに気づかない」ってことなんだろう。最近は企業関係もずいぶんとウイルス対策をするようになってきたけど、個人ユーザのかなりの割合はウイルス対策なんてまったくやってないみたいだ。まぁ、僕がいくようなパソコン関係のサイトなんかでは「ウイルスチェックは常識」って感じだけど、うちの嫁がいく趣味的なサイトなんかだと、あんまりそういうことを知らないで使っている人がずいぶんと多いみたいだ。「ウイルス? 特になにもしてないけど、たぶん、私は大丈夫です」みたいな、「おいおい、その自信はどこからくるんだ?」という人はけっこういる。未だに「知らない人から届いた添付ファイルを開いたりしなければ感染しないんですよね?」と思ってる人はかなり多い。「Windowsアップデートって何ですか?」と真顔で尋ねる人も実際、けっこうな数いる。

そして、更に怖いのは、「加害者でない人が犯人扱いされる」ということ。——前にWebで読んだのだけど、ある人のところにどっかのメーリングリストの管理者から「あなたのメールアドレスからウイルスが送られてます。注意して下さい!」と連絡が来たそうだ。その人は「最近のウイルスは送信者を偽装するので、それは私じゃなくて他の誰かですよ」と丁寧に説明し、メールヘッダーを読んであやしい送信先を調べられますよ、といったことまで詳しく書いて返送したらしい。そうしたら、「しらばっくれないで謝罪しなさいっ。あなたのアドレスから来たんだから、あなたが出したに決まってるでしょ、きいいいいっ!!」てな返事が届いたそうだ。その後も丁寧に返事をしたみたいだが(忍耐強い人だ・・)、ついに最後まで相手は理解してくれなかったらしい・・。

パソコンは、簡単になった。インターネットは、専門知識なしに誰でも気軽に使えるようになった。——そうだろうか? それは例えば、自動車が進歩して誰でも簡単に高速道路を走れるようになったようなものだ。「だから、免許なんていらない」わけじゃない。機器が進歩しただけで、危険がなくなったわけではないんだ。でも、そこを錯覚してしまっている人は多い。「専門知識がなくても使える」のと「専門知識なんていらない」のは、同じではない。自動車だって、教習所に行かなくたって「使える」けれど、だからって「免許なんていらない」わけではない。

やっぱり、最低限の知識が必要な世界ってある。高度な、ではなくて、必要最低限の知識は、という世界。——インターネットでごく普通の人が常時接続するようになった時代。よっぽどの完全なシステムを構築できない限りは、やはり使う側の知識とモラルに期待するしかないんじゃないか。別に、「インターネットを免許制にしろ」とかいうわけじゃないんだけど、それにしても、インターネットの世界では他人に当て逃げしながら運転している(しかもそのことに気づいてさえいない)人が多すぎる気がする。

とりあえず、差出人に僕のメールアドレスが使われているウイルスメールが届いたとしても、僕じゃないです。どうか、信じて下さい、ね。

公開日: 月 - 4月 5, 2004 at 05:29 午後        


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