便利であるが故にマズイもの


iBlog、なかなか使いやすい。実に簡単にコメントが書ける。
であるがゆえに、これは使うべきではないのかもしれない。

iBlogは簡単でかつ強力だ。感覚的には、ほとんどMailでメールを書いて送信する感じ。掲示板に書き込みをするより気楽かもしれない。なもんで、ちょっと一服というときにちょこちょこっと書いて送ったりする。毎日更新するのもこれなら楽だ。

そう、毎日これなら更新できる。読む方も、(たぶん)毎日なんか戯れ言が書いてあってなんとなく楽しいかもしれない。決して世の中を深く洞察するような内容はないのだけど、軽いが故にみんな軽く楽しめる。意外に書く方も楽しい。普及するわけだこれは。

そうして、毎日Blogを更新する。「更新している」と思うが故に、それ以外の、本格的に取り組むべきコンテンツの更新はなおざりにされる。表層的、表面だけをなでるようなBlogだけが日々更新され、真剣に取り組むべき、世に残すべき、人に役立つはずのコンテンツは消えてゆく。——そうなりはしないか。なりそうだ、オレ自身に関して言えば。この気楽さ。手軽さ。便利さ。であるがゆえに、これ以外の大変な手間と労力のかかるコンテンツの制作に向かおうとする気持ちが萎えてゆく。人間、安易なものへとつい流れてしまうものだから。

世の中には、便利であるが故に使ってはならないものも存在する。これは、思えばかなり前からのオレの信念のようなものになっている。考えなければ。便利であることを歓迎するその裏に、不便なものを厭う気持ちが芽生え始めていないかどうかを。

公開日: 火 - 10月 21, 2003 at 03:52 午後        


©