創造力とは想像する力?
娘が、オリジナルな遊びを始めた。たいしたもんやねー。
いないいない・ばぁをほぼマスターした娘は、現在、無敵の勢いであります。どうやら丸暗記というのではなく、「いないいない」と「ばあ」の意味というか役割をわかっているようで、「いないいない、いないいないいない、いないいない・・」とずーっと繰り返した後で、「ア〜ッ」とオチをつけたりする。単なる「言葉をいえるようになった」というのとはずいぶん違う気がする。
そうしていたら。先日、なんと新しい遊びを始めたのです。——右手で左の手首をとんとん叩きながら「マンマンマ〜」、そして両手をほっぺに当てて「オッオ〜」とやるのだ。最初、これを見たときは、思わず嫁と顔を見合わせてしまいましたよ。
「・・ねえ、これって、教えたことあったっけ?」
「さあ?」
「マンマンマって、何だと思う?」
「さあ?」
「手首を叩くのは、どういう意味なんだろう?」
「さあ?」
手首を叩くというゼスチャーも、僕も嫁もやった記憶がない。そもそも、そういう遊び自体がこの世に存在しないよね。だけど、彼女の中には確実にこの「マンマンマ・オッオ〜」というのが存在しているようで、いろいろとアレンジしては喜んでいる。
おそらく、「いないいない・ばぁ」がどういう遊びか彼女なりに咀嚼し、それをベースに自分なりの新しい遊び方を考えたんだろうと思う。現時点で話せる言葉は「いないいない・ばぁ」以外には「ママ」と、あとは「あ〜」とか「お〜」とかいった意味不明な言葉だけだ。その限られた語彙の中で、彼女は新しい遊びを考えたのだろう。
そう考えると、涙が出そうになるね。「こいつは、こんなちっこくてまだ世の中の何も知らないのに、自分で自分の世界を作ろうとしてるんだなぁ」と、親バカかも知れないけど思うのだ。それは、まだ1歳半の乳児としてはたいしたことじゃないだろうか。
頭の発達というのを、僕らはつい「記憶力」ではかってしまうクセがある。いくつ単語を覚えたか、いくつ字が書けるか、歴史の年号をどれだけしってるか、そうやって頭が発達していくと思ってしまう。けれど、記憶力というのは頭の1つの機能に過ぎない。たくさん遊びを知っているけれどルールの通りにしか遊べない子供と、自分で自分たちだけの新しい遊びを考えて楽しめる子供と、どっちがすばらしいか。学校の成績は前者の方がいいだろうけど、少なくとも後者の子供の方が人生は豊かだろう。
さーて、次はどんなことをやってパパとママを驚かせてくれるんだろう。願わくば、破壊活動以外の遊びで頼むよ。
公開日: 月 - 4月 26, 2004 at 11:46 午前