どうなる、消費税?


4月から消費税が変わる、ってことはあんまり話題にならないらしい。それでいいのか?

間もなく4月であります。4月を前にして、とても気になってることがある。それは「消費税」だ。4月から、消費税は原則「内税表示」となる。つまり、今まで「本体価格+税」となっていた表示は使えなくなり、総額表示にしなければいけないのだ。これはかなり大きな問題のように思うのだけど、なぜだかあまり騒がれないのが不思議だ。

消費税導入当時、こういうことを政府がいっていたことを僕ははっきり覚えている。「ものを買うときに、商品の対価とは別に税金を払う、ということで、消費者の納税意識を高める」と。そのために、当初は「外税方式」が望ましいとされていたはず。つまり「本体価格+税」と表示することで、「自分はこれを買うのにいくらの税金を納めている」ということを消費者にはっきりと意識させよう、ということだった。

それが、今は逆に「内税方式に強制的に統一する」となってしまった。これはつまり、消費者に「税金を払っていることを意識させないようにする」ためである。つまり「税金を払っていると感じられないよう、こっそりとる」ということだ。一体、いつの間に目指す方向が反対になってしまったのか。

要するに、国は、国民が納税意識に目覚めるのはまずい、と思うようになった、ということだ。バブル崩壊の頃から、国民の意識を高めることで政治不信やら何やらをなくしていこう、という力が強く働いていたが、それが最近になって「国民は、なるべく何も知らない無知な方がいい」と変わってきている気がする。「寄らしむべし、知らしむべからず」が復活しつつある。それは、自衛隊を海外派遣したり、すべての学校での行事に国旗掲揚国歌斉唱を強制したり、民主党と手を組むことで憲法改正を可能にしようと画策したりといった、昨今の流れからすれば何となく想像がつく。国民に知られるとまずいことを、少しずつ進めていきたいのだ。だからこそ、国民が国や政治に関心をなるべく持たないように少しずつ世の中のあり方を変えようとしているのだ。

毎日、買い物をする度に「消費税いくら」というのを眺め、「あ〜、税金高いわねえ」と嘆息する、ということは、実は大切なことだった。レシートを見る度にイヤな気分になる、それが正しいあり方だったはずだ。

内税で統一ということで、多くの会社は対応に苦慮しているらしい。「総額(内税額)」としたり、いろいろと表示法を考えているそうだ。どうか頑張って法の抜け穴を見つけ、「いくら税金を払っているか明確に消費者に意識させる」ようにして欲しい。「消費税はいただきません」というところもあるけれど、それは違うだろ? いただきませんといっても、国へはおさめるんでしょ? である以上、お金は払うわけで、そのお金は売り上げによる利益から出るわけで、つまりはぐるりと回って消費者がどこかで払っているわけだ。それなら、はっきりと「これだけ国が税金を納めろといってます」ということを示して欲しい。そのほうがはるかに国民の利益になるはずだ。

あるいは、「うちは、国には一切消費税を納めません」という豪快な企業が現れないものかな。無茶だろうけど、無理じゃないはずだよ。昔は、ヤミ米販売とか密造酒製造とか、おおっぴらに国の法律に反する商売をやって見事摘発された立派な商人がけっこういたんだけどね。今はどこも、おかみのご意向には逆らえないみたいだなぁ。

公開日: 金 - 3月 26, 2004 at 06:02 午後        


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