最近の突っ込み
最近の新聞ネタから。
どうも最近、新聞を読んでいて突っ込むことが多い。というのも、妙な記事が出ていたり、真っ当な記事なんだけどなぜか誰も反応しなかったりということが多くて、「どーなってるねん!」と生粋の千葉県民が思わず関西弁を使ってしまうことが多々あるのだ。
最近の新聞ネタで、ちょっと一言と思ったことをメモ程度に書いておこう。
※町村官房長官、UFOの存在を信じる
驚いたねこれは。政府が存在を確認していないと答弁書を作成した件について、「個人的には、こういうものは絶対いると思っている」と発言した。——いや、「UFOはいると思う」という発言そのものは、別にどーでもいい。そう思う人もいるだろう。だが、その「信じる理由」として出したのが……「そうでないと、ナスカの地上絵などは説明できないでしょ」って、あんた。
なぜ、それを持ってくる?
ナスカの地上絵は、当時の技術で十分作成可能なことは既に周知の事実だと思ってたけど、まさか国の官房長官ともあろう人がその程度の認識でしかないとは。しかも、その程度の認識でありながら、記者会見で政治家として(しかも内閣の一員として)政府見解に反する発言をするとは。えらーい政治家先生でも、専門分野でないことについてはこんな程度なのか?
もっと他に、もっともらしい理由なんてあるでしょうが。「この宇宙に数多ある恒星のことを考えると、知的生命を持つ星が地球だけとは思えないのです」とかなんとか、いくらでももっともらしい言い方はあるじゃない。それなのに、なぜナスカ?
※国連、死刑執行停止決議を初採択
こういうのを見ると、なんというのかねぇ、「あぁ、日本って国はほんと田舎モンばかりの国なんだなぁ」と思ってしまうのだ。死刑をやめよう。まぁ、いきなり死刑制度をなくせってのも無理な話だから、とりあえず死刑の執行を一時的に停止して、よく考えようよ、という決議に、日本は反対。が、賛成99、反対52で可決される。
これは、国連決議であり、拘束力はない。が、「別に決まったからって守んなきゃいけないわけなないもんね。こんなの、別に無視したってかまわないもんだもんね」といってしまったら、すべての国際協調は無意味なものになってしまう。その一方で「北朝鮮は悪いやつだから制裁してくれ」とかいいながら、もう一方で「それは守りたくないから無視だもんね」じゃ、誰もいうこと聞いてくれないでしょ。
どうもね。この死刑問題を見ていると、なんというか「捕鯨問題」とだぶって見えてくるのだよね。世界的には「やめましょう」という方向に進んでいるのに、なぜか日本だけ「イヤだもんね」といって独自の方向に突っ走り続ける。それだけこだわるにはそれなりの理由があると思うのだが、どうも突き詰めると「イヤだから」ということでしかないように見えてしまう。
死刑の賛否に関する意見は、前にも書いたので改めて書かない。ただ、「世界の趨勢は死刑廃止に向かっている」ということだけは、しっかりと目を開いて見ておこう。少なくとも「死刑賛成が世界的に広がりつつある」ということは絶対にないのだ、ということぐらいは理解しておこう。
無論、「日本には、日本なりの事情がある」ということはある。そのことは重要だ。だがね——こう主張する人は、つまりは「日本独自の事情などがなければ、死刑は廃止した方がいい」ということを暗に認めていることになる、そのことに気づいているのだろうか。「本当は廃止すべきだけど、日本の情があるからできない」ということをいってるんだとわかってるのだろうか。
「そんなことはない。日本の事情に限らず、死刑は賛成だ」というなら、わざわざ「日本の事情」など持ち出さず、世界に通用する賛成の理由を述べればよいだけだ。それを伏せて、わざわざ「日本の事情」を持ちだす必要などない。
本当は、死刑などないほうがいい。実は、多くの死刑賛成論者は、土台のところでそう思っているんじゃないか。ないほうがいいけど、こういう事情で廃止は出来ないだろう。そういうことなんじゃないか。——ならば、発言しよう。「どういう事情を解決できれば、死刑廃止という世界の流れに向かうことができるのか」を。それを阻むどういう日本固有の事情があるのか、それをどう取り払っていけばいいか、考えようじゃないか。
理由も何もなく、ただ「今のままがいい」じゃあ、子供のケンカだ。よりよいことがわかっている、けれどそっちへはいけない。それなら解決の道は必ずあるはずだ。
前半を読んで、「これも何か落ちがあるんだろう」と思った人。残念でした、ないです。
公開日: 水 - 12月
19, 2007 at 10:00 午後