市原帝京大付属病院というバカ 


・・について書くのだ。 

千葉県市原市に帝京大学の付属病院というのがある。——今日の夜のことだ。親子水入らずでご飯を食べていると、そこから電話がかかってきた。

現在、うちの父親がそこに入院している。用件は、父親の老人用紙おむつがなくなったから今から届けてくれ、ということだった。時間は夜の7時過ぎ。我が家から病院までは車で1時間弱はかかる。しかも、おむつが足りなくなっているということは前に聞いていて、明日には病院に補充にいくということを話してあった。その前の晩に、「もう全部なくなりました。病院の持ち出しもすべて使ってしまい1枚も残っていません。ですから今から届けにきてください」というのだ。

耳を疑った。帝京病院といえば、千葉のこのあたりでは最大規模の病院である。そこで、患者が一人、おむつをきらしたからといって、「病院中のおむつがすべてなくなる」などということを誰が信じるだろうか。しかも、「今夜はもうご自宅にいらっしゃるんですよね」という。だったら届けに来れるだろう、というのだ。(ここの人間は「自宅にいる=暇」という図式が完璧に出来上がっていて、こっちは「自宅にいる=仕事をしている」のだと何度いっても全く理解しない)

既に入院して1ヶ月以上が経過するのだけど、ここは数日ごとに電話がかかってきて「おむつが足りない、届けてください」とひっきりなしにいってくる。が、まさか「今すぐ買ってきてくれ」などといわれたのは今日が初めてだ。電話で話していてさすがに腹が立ってきた。後でうちの奥さんから聞いた話では、かなり怒りくるって電話口で叫んでいたらしい。しょうがない。僕は、バカと話をするのは死ぬほどキライなのだ。

やつらは、物事を考えない。どうしてそんな状況になるまで放っておくのか、本当に困るならもっと早めに「○○日までに届けていただかないと困ります」とはっきりしておけばいい。なのに、その前の電話では「では水曜日(明日ね)に」といって確認しておきながら、その前の晩にいきなり「もうありません。すぐ買ってきてください」という。こっちが忙しいかもしれないし、たまたま晩酌で呑んでいて車を出せないかも知れない、家に現金を置いてなくて翌日銀行によらないと行けないかも知れない、などということは一切考えずに、いえばすぐ来るもの、それが当然のものと思っている。

だいたい、「買ってきてくれ」といったって、実は病院内の売店で売っていてそれを病室まで運ぶだけなのだ。ならば、随時向こうで必要に応じて補填し、入院費とあわせて代金を請求するなど、対応はいくらだって考えられるだろう。こっちがそういうと、「いえ、うちはそういう病院ではありませんから」と、そこですべてシャットアウトする。病院が患者にあわせるなどは論外で、患者が病院の都合に合わせるのが当然と思っているのだ。

なんなのだこいつらは。この横柄な態度、「患者の家族なら頻繁に見舞いにくるのが当たり前」といわんばかりの感覚、そしてこっちが行けないとなると「じゃあ明日までおしっこ濡らしたまま放っておくんですか」というその言い草。——はっきりいおう。

こっちは客なんだぞ!
誰がお前に金を払ってると思ってるんだ!

・・そうなのだ。やつらは「お客様は神様である」というサービス業ならば当然のことを完璧に忘れてるのだ。病院、学校、役所、すべて然り。自分が「サービス業」であり、お客様にサービスするのが仕事であることを忘れ、「自分たちが客の面倒を見てやってるのだ」と錯覚したとき、その組織は堕落を開始する。

「でも、病院はサービス業じゃないでしょ」などと馬鹿げたことをいわないで欲しい。病院は、れっきとしたサービス業である。お客にサービスをしてお金をもらう、そういう仕事である。それが「お客」が「患者」となり、「サービス」が「治療」となった瞬間、「客より店員の方が偉い」という本末転倒がまかり通ってしまうのはどういうわけか。

病院は、確かに一般のサービス業とは違う点がある。それは、「客の命を人質にして商売をしている」という点である。だからこそ客は店員に黙って従うしかないという気分になってしまう。そして、店の側にどんな非があろうと、「お父さんのことが大切じゃないんですか」という「孝行」だのといったものにすり替えて常に「客の方が悪い」かのように錯覚させることができるという点もある。

入院した患者の面倒を家族が見る。はっきりいおう、それは「孝行」などとは全く何の関係もないことだ。責任を持って面倒を見るのは、それで金をもらう病院である。どこの世界に、「客のことなど知らない」というサービス業があるというのか。金を払っているお客に「布団の上げ下げは自分でやってください、お風呂は入ったらちゃんと後の掃除をしておいて」などという旅館がどこにあるか。

人手不足で手が回らない、こっちは忙しくて本来の業務以外のことまで手が回らない。医療関係の世界ではそういう声をよく聞く。確かにインターンなどは過労死が問題となるぐらいに過酷な労働だという。——だが、これもはっきりといっておこう。そんなことは、客には何の関係もないのだ。それはそっちの管理体制の不備による問題であり、そっちで解決すべきことではないか。これまた、どこの世界に、通勤ラッシュの責任を客になすりつける鉄道会社があるか。行列のできる人気ラーメン屋で待ち時間が長いのを「客が多すぎるのが悪いんだ」などというところがあるというのか。

多くのサービス業は、「お客あっての自分」であることを骨身に沁みて感じている。どんな人気ラーメン屋だって、客が来てくれるからこそ成り立つのだ。だからこそなんとかしてお客にいいサービスをしてお金を落としてもらおうと工夫しアイデアを練り日々精進しているのじゃないか。

市原帝京大学付属病院。あんたたちには、そうした姿勢が微塵もない。いや、そもそも「お金を払ってくれるのは誰なのか」ということさえわかってないのではないか。「金は、保険の点数に応じて国が払ってくれるんだ」とでも思っているのか。誰一人客が来なければ経営が成り立たないことを誰も理解していないのか?

ともかく、明日、わざわざ仕事の合間を縫ってそっちにいってやるからな。心配せずとも、別に文句を言ったりわめいたりはしないさ。なにしろ僕は、バカと話すのが大キライだからな。 

公開日: 火 - 10月 11, 2005 at 10:24 午後        


©