ゼイタクなお昼ご飯
今日のお昼は、ママパン。これが、ンマイんだ。ゼイタク、ゼイタク!
今日のお昼は、パンでありました。いわゆるトーストというやつ。といっても、買ってきた食パンなどではなくて、家で焼いたパンであります。——嫁が、なんとかいう小麦粉と全粒粉(・・いくら説明を聞いても覚えられない・・)をインターネットでまとめて注文したのが届いたので、それでフランスパン風の生地で焼いたものなのであります。といっても、実際にはパン焼き器が作ったわけで、嫁さんは粉と水の分量をはかってスイッチを入れただけ。ほんと、最近の家電製品ってのは侮れない。これが、そこいらのパン職人なんざ裸足で逃げ出すくらいにうまいんだから。
それにしても食べてみてわかったのは、「パンは粉がすべてなんだな」ってこと。普段、スーパーで買ってきた粉で焼いていたときも十分うまかったのだけど、このなんとかいう小麦粉(・・まだ思い出せない・・)だと、香りや食感が違うのであります。なんというか、パンの「引き」が違うんだよね。噛んだときに、「ぐぐっ」と歯を押し返されるような感触。ふわふわな部分もうまいんだけど、極めつけはなんといっても「耳」だ。ほら、食パンとかをスライスすると、両側の部分が「全身耳状態」になるでしょ? あの部分。あそこが、トーストすると猛烈にうまいのだ。噛むと「パリパリパリっ!」と音を立てて表面が割れ、もわんっ!と小麦の香りが口の中に入ってくる。も〜たまらんよ。まさか「パンの耳」がこんなにうまいもんだったとはね。
よく、「子供のうちからおいしいものを食べさせないと、舌が肥えない」とかいう。それでせっせと外食している人はけっこういるんじゃないかと思う。でも、それで連れて行った先がファミレスとか回転寿司じゃああんまり意味がない。といって、本格的なレストランは高いし子供お断りのところも多い。——どうすりゃいいんだ?と思う。でもね、そういうのは、ひょっとしたら発想からして間違っていたのかもしれない。いや、「おいしいものを食べれば舌が肥えてくる」というのは正しいんだと思うよ。間違ってたのは、「おいしいもの」のとらえ方だ。
おいしいものは、高級な料理のことじゃない。多分、普段食べているものであっても、「本物の味はこうなんだ」ってのを知っておく、ということなんだろうと思う。——お店で売っている食パンは、たぶん、本来のパンとは違うものだ。さまざまな味や香りを加工する人工的な原材料が入れられていった結果、周りで売っている食べ物はみんな「人工的に『おいしい味』というものに作り替えられた味」になってしまった。そりゃ、大企業が金と労力をかけて作ったんだからそれなりにおいしいんだろう。だけど、たかが「バターを塗っただけのトースト」がこんなにもうまいもんだったなんて、僕はこの歳まで知らなかった。あちこちの食パンをン十年食べ続けてきたはずなのに。
とりあえず、うちの娘は「パン」の味だけはわかる子に成長しそうであります。原価と味を考えれば、この先、ヤマザキの食パンなんぞを買ってきて食うことはまずありえないだろうし、ね。すべて食べものを変えるのは無理だけど、いくつかだけでも「これは、本物」というのを与えることができれば、きっとゴハンにマヨネーズをかけて食うような味覚にだけはならずに済むだろう。よかった、ホッ。(←マヨラー嫌いのパパ)
公開日: 月 - 2月 16, 2004 at 06:25 午後