驚いた本


まさか。そういう本がまだあるとは・・というものに出くわしてしまった。
「JavaデベロッパーのためのEclipse導入ガイド改訂版」(ソフトバンク)です。

現在、Java関係の書籍の執筆のために、関連する書籍類をあちこち読みあさっている。で、ちょっと奇妙な記述に出くわしてしまったのでした。「JavaデベロッパーのためのEclipse導入ガイド改訂版」(ソフトバンク)という本なんだけど、Eclipseという開発環境の本としては割と売れているものだと思う。なにしろ、改訂版が出たくらいだからね。

その記述を読んでいるうちに、「ん? どっかで読んだ文だぞ?」という記述を見つけた。で、あちこち引っ張りだしているうちに見つけてしまった。それは、Eclipseというソフト本体の日本語ヘルプ。この日本語ヘルプのテキストが、そのまま本のあちこちに本文として掲載されているのだ。つまり、ヘルプのテキストをそのままコピー&ペーストして使っているわけ。偶然というには、あまりにたくさんそういう箇所が見つかってしまったので、「たまたま書いたテキストが同じだっただけ」というのは通用しそうにない。

以前、知人でMS Office関連の入門書を書くのに、マイクロソフトのドキュメントの一部をそのまま引き写してしまい、百万の損害賠償を支払わされた人間がいた。そういうのが身近であるので、こういう「他からの引き写し」にはかなり敏感になってしまう。——ひょっとして、ヘルプのドキュメントを書いた人間がこの本を書いたのか? でもヘルプのテキストは、書いた個人ではなくソフトの開発元のコピーライトになってるからダメなはずだよなぁ。あるいは、許可を得て一部利用しているんだろうか。でも、引用ならわかるけど、本文として、この本の著者が書いたものとして掲載しちゃうのはまずいよなぁ。

やっぱり、ごく単純に「問題ないと思ってやっちゃった」のだろうか。オープンソースのソフトだから、ヘルプのテキストも勝手に使ってもいいと思っちゃったのか。一応、ソフトバンクにメールで知らせてはおいたけど、未だにこういうことをやっている本ってあるんだなぁ・・とちょっと驚いてしまったのでした。そして、この本にも、もちろん「無断で複写・複製・転載することは、禁じられております」という著作権法の断り書きはちゃんと表示されているのでした(笑)。日本の著作権の夜明けは遠いぞ。

公開日: 金 - 3月 19, 2004 at 06:52 午後        


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