すごいぞ、WebKit!


PantherでWebKitが標準化されたのでちょっと触ってた。
いや〜、まさか10分ほどでWebブラウザ作れるとは思わんかったよ。

Panther(Mac OS X 10.3)には、Xcodeって開発環境が標準でついてくる。で、そのパーツ類をちょっと見ていたら、「WebKit」のフレームワークが標準化され、「WebView」ってコントロールが標準で使えるようになっているのを見た。これ、確かSafariで使われているWebブラウザのエンジンだよな。どんぐらい使えるもんだろう・・と思って、ちょっといじったんだけど。

制作時間10分で、自作ブラウザ完成。おい・・。いいのか、こんなんで? まぁ、URLの入力フィールドとリロード、前後の移動ボタンしかない超簡易ブラウザだけど、ちゃんとホームページも表示されるし、JavaScriptも動く。もちろんマルチウインドウで何枚でも開いて動く。——しかもこれ、全くのノンプログラミング。部品を配置して、コネクションでボタンとWebViewのアクションをつないだだけ。

当たり前のことだけど、肝心のHTMLのレンダリングエンジンはSafariで使われているフレームワークが用意しているわけで、表示はSafariとほぼ同じ。なので「Safariよりすごいブラウザ」は作れない(笑)。だけど、少なくともウインドウ内の表示やメニュー構成などを自分なりに作り込んだオリジナルのブラウザが簡単に作れるってことだ。AppleScript Studioを使えば、コードの記述はAppleScriptのスクリプトで書くことができる。こりゃ、十分すぎるものが個人で作れるよ。ちょっとAppleScriptを知っていれば、「自分で使いやすいアプリは自分で作る」ってのがほんとに可能になる。

「プログラムは自分で作る」ってのが常識だったのは、もちろん遥か昔のことだ。今は「プログラムは買ってくる」あるいは「ダウンロードして手に入れる」のが常識になってる。だけど、自分にとってもっとも使いやすいプログラムは、自分で作るしかないんだよね。他人が作ったものは、どうやっても完璧に「自分だけに使いやすいもの」にはならない。自分で一から作れれば、基本的なインターフェイスからメニュー構成から機能から、全部「自分一番」に作れる。

そういう時代が早く来ないか・・と思っていたけれど、実は既に世の中はそれに近いものになっているのかも知れない。「まだ難しすぎるよ」という意見はある。だけど、その昔、20年前のパソコン事情から考えれば、夢のように高度なものを信じられないぐらいに簡単に作れるようになっていることは確かだ。それを「まだまだ難しすぎる」といって敬遠ばかりしていては、誰もが自由に自分なりのプログラムを作れる時代は到来しない。だって、「誰も使おうとしない」ことにいつまでもお金をかけられるメーカーなんてないんだから。

使わなきゃ。そして、「ほら、こんなにみんな使っているんだ。だからもっといいものにしてね」ということをメーカーに対して示さなきゃ。「面倒だからオレはやらない。だけどオレ以外の人はがんばってやって、オレにとって都合のいい社会ができるよう努力してね」——そう思っている人。そんな社会は、絶対に「あんたにだけ」はやってこないよ。

公開日: 月 - 12月 1, 2003 at 03:27 午後        


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