面白いブログとは
・・このブログのことである、という冗談はおいて(笑)。どういうものだと思う?
最近のブログの普及ぶりには目を見張るものがある(と、ブログに書いてんだから世話はないな)。で、仕事柄検索するようなところでもたいていはブログで日誌などがついていたりする。その他、夜、リビングでのんびりしていると、嫁が「ねえねえ、これ読んで」とぬいぬいサイトのブログなどを見せてきたりする。そんなこんなで、毎日、なんだかんだでけっこうなブログを読むことになる。
・・で。いろいろと読んでいるうちに、ちょっと面白いことに気がついた。僕が仕事柄チェックするようなところにあるブログというのは、たいていが開発屋さんとかアマチュアプログラマとかのものだったりするんだけど、そうした人のブログというのは、本業にかなり密接につながっているものが多い。仕事柄興味を持った事柄とか、現在の業務に関連した話とか、自分とこの製品のそれとない(あるいは、それとある)宣伝とか、そういうのが圧倒的に多いんだよね。こうした人のブログは、ほとんど「仕事の備忘録」化してる。
ところが、嫁がよく行くぬいぬい関係というのは、これが全く違うのだ。布屋さんや型紙やら作った洋服やらを販売しているショップとかをやってる人のブログを何度か読まされてきたけれど、たいていは商売とはほとんど関係ない話。子供の話とか、庭で何とかの花が咲きましたとか、どこそこのケーキがおいしかったとか、ほんとに「おしゃべり」だったりするんだよね。
どっちも仕事を持っている人のブログなのに、この違いは何だろう。まぁ、これで一概に「男ってのは」「女ってのは」ということはできないだろうが、(でもいってしまうが)男ってのはプライベートでさえ仕事の話ばかりしたがり、女ってのはほんと身の回りのちょっとした話ばかりしたがるのだなあ、とつくづくと思ったのでした。男と女でこんなにはっきり内容が分かれているとは思わなかった。面白いもんだねえ。
・・で。実は本題はそういう「男女の違い」の話じゃない。——実際にあれこれ読んでみると「面白いもの」と「つまらんもの」っていうのがけっこうはっきりと見えてくるんだよね。ブログってのは、要するに「ひとり言」であり「おしゃべり」だ。で、「インターネットにおける話術」みたいなものがあるんだろうなあ、などと僕は思っていた。でも、いろいろ読んでみると、これがそうじゃないことがわかってくる。まぁ、最低限「日本語としてまともに読めない」ものは論外としても、きちんと書いてあるのにつまらなかったり不快だったりするところもあれば、そんなに「うまい文章」とかいうのでもないのに「ふーむ」と感心するものもあったりする。技術じゃないのだ、面白いか否かは。
いろいろ考えていくうちに、男と女とこんなに内容や傾向は違っているのに、こういう「面白い」「つまらない」という点で見ると、どちらも全く同じ視点で評価できることに気がついた。それは「自分が見えているか」あるいは「自分しか見ていないか」というところ。どんな話であれ、「自分しか見てない人」あるいは「自分が見えてない人」の書いたものはつまらないか不快かどちらかだ。逆に「自分以外の人が見えている人」あるいは「自分がどういう人間か見えている人」の書いたものは、どこかしら「へえ」と思うところがある。そういうことじゃないか。
そう。ブログが面白いかどうかは、実は内容とは全く関係ないのだ。ぬいぬいサイトのブログでさえ、ちゃんとしたものは「読めば面白い」のである(あ、いや、ぬいぬいサイトをバカにしてるんでなくてね、興味ない人間が読んでもってこと)。自分が見えていない、あるいは自分しか見えていない人間というのは、とにかく視野が狭い。視野が狭い人の話というのは、他人が興味を持って聞きたくなることはあまりないのだ。視野が広く、さまざまな視点を持った人の話というのは、その内容がどんなものであれ面白い。
そしてそれは、実はブログに限ったことではないのかも知れない。「あの人、話が面白くないのよね」といわれる人、それは話術とか話題とか内容とかいうことに問題があるのではなく、「本人の視野が狭い」ことが原因なのかも知れない。どんなにいろんなことを知っていて、さまざまな話題を提供できる人でも、その視野が狭くて偏っていると「もう聞きたくない」という気分になるものだ。そうじゃない?
・・このブログも、ときどき書いてて「なんか最近、面白くないよな」と思ったりすることがある。それは、自分的には「話題がない」からだと思っていたのだけど、そうではなかったのかも知れない。自分の視野に広がりがないからつまらない話になるのだ。そう考えると、なんとなく納得できる部分がある。書いて「つまらない」と思うものは、たいてい平凡な視点しか持っていない話だったりするんだよね。
・・ちゅうことで。今回の視点は、面白いかなぁ。自分的には面白いと思うんだけどなぁ。でもひょっとしたら単に「自分が見えてない」だけだったりして・・。うーむ、自分で評価するのは案外に難しいな。
公開日: 木 - 11月 4, 2004 at 05:24 午後