なぜ、オレを知っている?


こっちは覚えてないのに、向こうはこっちを知っている。
こういう状況、ほんっと弱ってしまうのよね。

今日は昼間のうちに親子でヨークマートにお出かけ。最近、うちの愛娘はすっかりお出かけが楽しくなってきたようで、コートを着せて玄関に座らせると、靴を履かせてもらうのをじっと待っている。普段なら、ここぞとばかりに廊下を駆け回り、階段をのっしのっしと上っていくのだが・・。「お出かけしたら、広いところで思う存分歩き回れる」ということがわかってきたらしい。

今日もご多分に漏れず、スーパーについてベビーカーからおろしてやると、さっそくトコトコトコトコと広いスーパーの中を闊歩し始めた。例によって、ママは買い物担当、パパは娘の尾行&素行調査と、役割分担して活動開始する。途中、中年のおばさんがニコニコと娘に近づいてきて話しかけてきた。う〜ん、どっかで見た人のはずだぞ・・と思うが全く思い出せない。後で嫁が「あれは、図書館の人よ」と教えてくれた。いわれてみれば、確かに図書館の受付で見た記憶がある。

それからしばらくすると、お肉の試食コーナーでぴたりと立ち止まる。毎回、試食を見つける度に立ち止まって、マネキンさんをじ〜〜っと見つめ「お腹空いたの、お腹空いたの」光線を放射するんだよな。行く度にこれをやってくれるので、こっちはなんだか「ろくにご飯を食べさせてない親」のような肩身の狭い思いがしてしまう(人並み以上に食っていることは、アゴやほっぺたの異常な肉付きのよさを見ればわかるはずだが)。で、しょうがなく試食をもらって食べさせてると、「今日は、○○のお肉はいかがですか?」とにこやかにいわれてしまう。うーん、どうやらしょっちゅう来ているせいか、向こうはこっちの顔をしっかり覚えていたらしい。が、こっちは全く覚えがない。まただ。

どうも僕は、自分ではそうは思わないのだけど、他人から見るとかなり目立つ人間らしい。そういわれてみると、スーパーやデパートなどに行ったとき、ふと気がつくと、そのへんの子供が「じいいいいいい」と食い入るようにこっちを見つめていたりすることがしょっちゅうある。子供にとって、かなり目を引く存在らしいのは確かだ。——ただでさえ目立つのに加え、平日の昼間っから乳児とセットで歩いているのだから、目を引くことは明らかだ。そのせいか、こっちが覚えてなくとも向こうがこっちを覚えている、ということにかなり頻繁に遭遇する。これが困る。

曖昧なままに「ええと、どうも」的な対応をしていると、「あの人は人付き合いが悪い」みたいに思われてしまう気がする。といって、「すいません、誰ですか?」とはとてもじゃないが聞けない。いくら正直が一番といって、嫁の母親に「どちらさまですか?」などといった日には家庭内に血の雨が降る。こういうとき、みんなどう対処しているんだろう?

とりあえず、自衛の手段として「誰彼かまわず愛想をふりまく」という方策をとろうかと検討している。これなら忘れていても失礼なことはないだろうし、間違って「本当に知らない人だった」場合も、ただの陽気なおじさんで済む。が、しかし、毎日やってるとかなり疲れるという難点もある。誰か、うまい対処法があったら教えて下さい〜。

公開日: 土 - 2月 7, 2004 at 05:11 午後        


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