なお、この広告は自動的に消滅する


Webページの中で、広告だけが表示されないブラウザ。そんなのがあれば便利だよねえ。(あるんです実は)

遅ればせながら、というか、ふと思い立って「Firefox」を入れてみた。これはご存知の人も多いだろうけど、Mozilla.org の作ったWebブラウザ。ってより「Netscapeの新しいやつ」といったほうがわかりやすいか。——これが、よい。実に、よい。何が良いかといって、「いらんもんを表示しないで済む」という点が、だ。

Firefoxについては、主にセキュリティ関係の点から高い評価が与えられているけど、個人的に一番気に入ってるのが「ブロック機能」だ。これはAddBlockというプラグインで実現される機能なんだけど、これが実にいい。単に「ポップアップして開く広告ウインドウ」のブロックなら他でもできるけど、こいつはWebページ内に埋め込まれた広告までカットしてくれる。表示されている広告イメージからポップアップメニューを選ぶだけで、以後、そのイメージは一切表示されなくなるのだ。

アクセスする度にランダムにイメージを表示するタイプのものもあるけど、そういうものはワイルドカードでファイル名を指定することで「このURL以下から読まれるファイルは全部カット」というようにできる。またiFrameを使って組み込んだものは、iFrameごとカットすることもできる。更に! 心底「やったぁ!」と思ったのは、Flashのムービーやアプレットなど、プラグインで表示されるものまでカットできることだ。実に素晴らしい。もうこれで、不要なFlashムービーを一切見ないで済むのだ。今までの経験から「Flashムービーの9割はクズである」と思っている僕にとって、これほどの朗報はない。

それにしても、だ。——Firefoxを使ってみてつくづくと感じたのは、「僕らが日頃利用しているWebという世界のかなりのものは不要なゴミで構成されているのだな」ということ。電子メールなどは、前々からスパムメールなどが問題になっていたし、これらはすべて独立したメールとして届くので、「全体のどれだけがくずメールか」ということがイメージしやすい。けれどWebの世界では、なんというか「必要な情報の中にちょりっちょりっとクズが混じっている」おかげで、あんまり「ダウンロードされた情報のうちどれぐらいが不要のものか」なんてことは考えないんだよね。そのおかげで、僕らは毎日、知らないうちに膨大な量のゴミをダウンロードし、見ていたのだ。

ポップアップウインドウのブロックがごく当たり前になったことで、この種の広告は激減した。今後、「埋め込みイメージ広告のブロック」が当たり前になれば、更にこれらも消えていくだろう。もちろん、また新たな広告手法が考えだされる可能性はある。また「CMカット」機能のビデオやDVD-Rが普通になってもテレビのCMはなくならないように、それでもそれなりの効果を見込んでCMは表示され続けるのかも知れない。けど、「見たくないものをカットできる」ことで軽減されるストレスというのは思った以上にでかい。あの、アニメーションGIFのちらちらちらちらする画面は僕にとって不快でしかなかった。

世の中には、「いらないと思うものまでため込んで集めるのが好きなタイプの人」と、「いらないと思うものをどんどん捨ててシェイプアップするのが好きなタイプの人」がいる。どうやら僕は、後者のタイプらしい。不要なものは、どんどん捨てたい(←本以外は)。そういう意味でも、みんなにぜひともお勧めしたいです、「Firefox」。

公開日: 木 - 11月 18, 2004 at 02:15 午後        


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