評価のギャップ


売れん・・・。いや、この間出した本だけど。
なんで「これはちょっとなぁ」って思ったものが売れて、「これは絶対!」と思ったものが売れなかったりするのだろうねえ。

この間出した本ってのは、MYCOMからの「Javaステップアップブック」というシリーズなんだけどね。まぁ、はっきりいって売れそうなもんじゃないことはわかってた。Javaのプログラミングのテクニックをチップス的にまとめたものなんだけど、ひたすらテキストとソースコードが並んでるだけで、図やイラストが一切ない。また初級以上と割り切ってるので説明文も極力簡素にしてある。だから、不親切といえば不親切な本なんだよね。だけど、とりあえずビギナークラスの人が「へえ、こういうふうに使うのか」といったチップスがひたすら詰めてある。それなりに使えると思うんだけどね。ていうか、少なくともオレは重宝してる(笑)。「あー、この本書いといてよかった」てな感じ。

どうも前から感じていたんだけど、オレの出す本って、自分で「これはけっこうよくできたんでない?」と思えるものは売れなくて、「はぁ・・、これはイマイチ失敗だったな」と思うものが売れたりする。そのへんがどうもわからない。——いや、本当はわかってる部分はあるんだ、「こうすりゃ売れる本になるだろ」っていうところはね。ただ、そういう本は書きたくない。そういう本は、オレの書きたい本じゃない。

ただ、だからといって書きたい本ばかり書いていられるわけでもない。書く本すべて売れなければ、仕事の依頼はこなくなるし、なにより経済的にも困る。だけど、書きたくもないくだらない本ばかり書いていくとしたら、一体何が楽しくて、この仕事をやっているのかわからなくなっちまう。

ただね、希望はあるんだ。売れなくても、「これはいいんでないか?」と思える本は、数少ない読者の反応がとてもよかったりする。売れないけど、買ってくれた人は高く評価してくれるんだな。少なくとも、悪い本ではないんだ、そう思えるところに何らかの希望があるような気がする。

公開日: 水 - 10月 22, 2003 at 12:54 午後        


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