スト決行!?
どうやらプロ野球のストが決まったらしい。頑張れ、のび太!
プロ野球の選手会と連盟との交渉が決裂して、スト決行が決まったようだ。ある意味で、プロ野球の歴史に残るような事件となりそうだね。ぎりぎりまで粘ってなんとかいい方向を見いだそうとした努力は誰の目にも明らかだと思う。である以上、ストも多くのファンは理解してくれるだろう。
それにしても、この一連の行動を見ているうちに、前にNHKの「しゃべり場」でテーマに出た「集団行動」というものをつい思い出してしまうのだった。——集団行動というのは、この選手会のとった行動のようなものをいうんじゃないだろうか。オーナーのいう通り、みんな文句もいわず従うことを集団行動というかといえば、それは違う。プロ野球は誰のためのものか、その築き上げたものを守っていくにはどうすればいいかを考え、それが命令やルールに反するものであるならば、そのルールこそが誤りであるとして正す、そうしてプロ野球というものが本来誰のために何のためにあるかという根本を守るために全員が力を尽くして戦う。それこそが集団行動というものだ。今日ほど、選手会ののび太君じゃなかった古田君が頼もしく見えたことはなかったよ。
昨日読んだ本にちらっと書いてあったけど、数学者・哲学者・経済学者であり教育改革にも取り組んだコンドルセがこういうことをいっていたそうだ。
「教育とは、体制の賛美者を作るためのものではない。教育とは、体制を批判し改革する者を育てることである」
うろ覚えだったりするので不正確かも知れないけど、そのいわんとすることは実にはっきりと伝わる。そうなのだ、世の中のあり方を、社会や組織のあり方をただ肯定し従うための人間しか生まないような社会は間違いなのだ。プロ野球という世界の中に、これだけ正しく感覚を育んで来た人々がいたことを、彼らは誇っていい。——このところ、「ストライキ」なんていう言葉はすっかり死語になっていた。不況のあおりで働く者が切り捨てられても「会社がつぶれるよりはマシだ」とばかりに誰もが泣き寝入りするのが当たり前のような世の中に成り下がってしまったような気がする。選手会のスト決行は、ある意味、爽快感すら感じる(のはオレだけ?)。頑張れ、選手会!
・・ちなみに、どことはいわないが、某テレビ局の関係者などは「ストになったら番組がつぶれる。穴埋めをしないといけない。どうしてくれるんだ」とぶつぶついってたらしい。本気で「スト反対」を貫くなら、野球中継の時間にずっと無人の球場を映し続けて「私たちはストに反対します」と報じてみよ。それだけの気概もない人間がなにをいうか。
公開日: 金 - 9月 17, 2004 at 10:43 午後