ランチア・テーマ日記

LANCIA THEMA 8・32

2011年9月22日〜10月4日

オルタネーターオーバーホール

毎年毎年夏が終わるといろいろトラブルが起きます。
この夏もエアコンから始まっていろいろありましたがずっと電気系がおかしくて
アイドリングで頻繁にバッテリーランプがつくようになり
バッテリーを交換したりいろいろやりましたがどうやらオルタネーターのようです。

9月21日夕方、横須賀に買い物に行った帰り、逗子に戻るトンネルの中でバッテリーランプが点灯
エンジンをふかしても消えなくなりました。

トンネルの中でエンジン停止したら大変だなあと考えながらトンネルを無事でたところでエンスト。
その時の電圧計の表示は8.5ボルト

完全にオルタネーターが死んだようです。
調子悪かったのでトランクにはフル充電した古いバッテリーが積んでありました。
暗闇の中、手探りでバッテリーを交換。
何とかバッテリーの電力だけで自宅に帰り着きました。

8・32のオルタネータの取り外しはサブフレームを外してボディを持ち上げなければならず
作業するモチベーションがなかなか上がりません。
下側の固定ボルトが長く、ボルトを外すときにボディフレームにぶつかって抜き取れないのです。
ボルトを逆に付けていても今度は頭が前バンクの排気管にぶつかります。
そういうわけでサブフレームを外しボディを持ち上げる必要があるのです。

とにかくオルタネーターを取り外します。同時にアメリカにOHキットを注文。

オルタネーターの取り外しは

1,タイヤを外し、インナーフェンダーを外し、オルタネータベルトを取り外す。
2,バッテリー配線を外し、ラジエターグリルを外し、ヘッドランプユニットを外す。
3,冷却水を抜き、ラジエターファンの配線を外し、ラジエターを取り外す。
4,ここでようやくアクセスしやすくなるのでオルタネータの配線、上側の取り付けボルトを外す。
5,ボディは車載ジャッキ、サブフレームはガレージジャッキで支え、4カ所中3カ所のサブフレーム連結ボルトを外す。
6,上側のエンジンサポートを外す
7,サブフレームを支えているジャッキを少しずつ下ろし、ボディを支えているジャッキを上げていきます。
8,サブフレームがボディから数センチ離れればオルタネーターの下側ボルトが抜き取れます。
9,できた隙間からオルタネーターを取り出せます。

プロはもしかしたらラジエター外さずに作業するかもしれませんが
外した方が作業性がよいので、僕のような素人修理の場合急がば回れでラジエターを外します。

 

ここまでたどり着くのが大変。

 

ようやく取り外せました。

分解していきます。大きなレンチとアーレンキーが必要です。

ヘッドやエアコンコンプレッサーから漏れたオイルがオルタネーターをだめにした原因かと思っていましたが
空けてみると中はきれいでした。

分解して各部品を点検してみます。

このオルタネータは以前の大修理の時に200アンペアにアップグレードした物です。
故障していたわけではないのでその時のオリジナルの部品と比較しながら点検しました。

トリオダイオードだけ異なる数値を示していました。でも原因はそこではなく
なんとアップグレード用に購入した200アンペア用のステーターコイルでした。
各端子とフレームは絶縁されていなくてはならないのですが、
下の写真のようにフレームと端子間に導通があります。

LTOCの知人曰くオルタネータが排気管のすぐ横についているので
熱でやられることが多いとのこと。

アメリからのキットが届くまでとりあえず以前の古い部品で組んでみることにしました。

組んで取り付けてみると、発電はするのですが15〜18ボルトと異常に高い電圧。
これではいろいろな電機部品が壊れてしまいます。

そこで再度取り外し。
2回目の取り外しは1時間半ぐらいでできるようになりました。
それにしてもめんどくさい。

レギュレーターをまた別な中古部品と交換して再度組み立て取り付け。
でもやっぱり高い電圧で発電してしまいます。

あきらめてアメリカからのキットを待つことに。

アメリカからのキットが届き組んでみると中古部品でうまくいかなかった原因が何となくわかりました。
レギュレーターを組み立てるときに絶縁のカバーがついたボルトとそうでないボルトの取り付け位置を間違えていたのです。

左下の写真は絶縁ボルトじゃないです。右下の写真は絶縁ボルト。
右下の写真のようにこの部分は絶縁ボルトを使用しなくてはなりません。
間違えていたのでレギュレーターがきちんと作動しなかったと思われます。

 

アメリカからのキットを使い組み立てます。ニードルベアリングを打ち込みます。

 

ニードルベアリングはホームセンターで手に入りませんが通常のボールベアリングは簡単に手に入るので
キットに入っていた中国製のベアリングは使わずに国産のベアリングに交換して組み込みます。

キットにはベアリング、ブラシ、ブラシホルダー、レギュレーター、レクティファイア、トリオダイオード、BAT端子ボルト、絶縁ボルトなど入っています。

8・32で唯一経済的に良い点はオルタネータがデルコ・レミーというGM系のアメリカの製品だという点です。
このオルタネータに関する部品はアメリカで容易に手に入りしかも安いです。
僕はeBayでキットを購入しました。$32.95でした。友人の分も購入したので送料は折半です。

各部品を正しく取り付けショートしている200Aのステーターからオリジナルの120Aのステーターに戻します。

結局、計三回オルタネータを取り付けたり外したり、とてもめんどくさい作業でした。
アイドリング時の発電量は12〜13ボルトに安定。
それでも少々低いです。

よくよく考えたら僕のエンジン、アイドリングが低すぎました。約750rpm。
スロットルのアイドル調整バルブで調整して900rpmぐらいにしたら
安定して13ボルト以上発電するようになりました。

冷却液を抜いたついでにヒーターに行く冷却液ホースにコックを付けてみました。
テーマのエアコンは冷房動作時もヒーターコアに熱い冷却液が行く構造で
プラスチックのフラップでこれを遮断して冷房の風を送ります。
なので夏はヒーターコアに冷却液が行かないようにするコックを取り付けたのです。
取り付けたのはホームセンターで売っている真鍮の水道管用です。

発電が安定するといろいろなシステムが正しく動きます。
頻繁にエラーが起きていたパワステのシステムもエラーが激減しました。

熱の問題は解決していないので予備のオルタネータを探しておこうと思います。

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