ランチア・テーマ日記

LANCIA THEMA 8・32

2010年10月26日

下血

昨年の大修理のあとも、オイル漏れはずっと気になる問題でした。
オイルクーラーがある関係で、
シリンダーブロック〜オイルフィルター
オイルフィルター〜オイルクーラー
オイルクーラー〜オイルフィルター
オイルフィルター〜シリンダーブロック
と4本の高圧オイルホースがあります。
どれも接続部分、カシメ部分等からにじみや若干の漏れがありました。

先日のランチア・テーマ・オーナーズ・クラブの全国ミーティングから帰宅したら
車後部、ナンバープレートまわりやバンパーがひどくオイルで汚れているのです。
レベルゲージを見るとかなりオイルが減っている!

ホイールの内側もべっとり

足回り全体がオイルで黒光り。

翌日は車の下回り全体からぽたぽたとオイルのシミが地面に。

まず一番怪しいオイルクーラーIN & OUTのホースを作り直してみることに。
残っているオイルを排出。残量は約5リットル。2~3リットルは抜けた計算に。
オイルを抜いた後は配管を外していきます。

取り外したホースを、その場でホースを作ってくれるというホースやさんに持ち込んでみると。
口金が日本では使わない特殊な形状なので海外からの取り寄せとなること
一個単位では取り寄せられないのでロット単位になること
ということで連絡を待つと、
口金が全部で50000円以上、さらに納期は二ヶ月!
このインターネットの時代に信じられない。

ちなみに口金の形状はDIN規格のボールノーズ 18ミリと言うやつです。
パーカー・ハネフィン社が作っています。
パーカーの代理店にも、物はなかったです。アメリカからの取り寄せになります。

古い口金をカシメ部分破壊して再利用できないかと尋ねると、無理と言われてしまいました。

と言うわけで自分で何とかすることに。

まずはカシメを破壊します。

サンダーでパイプに傷つけないようにカシメを切ります。

ばらした後、口金部分のみ清掃。

ここで問題が発覚。

上の写真の上の口金の外径が小さいのです。下のやつは15.9ミリの高圧ホースにちょうど良いのですが
上のやつはちょっと細いのです。
これより細い高圧ホースは12.7ミリ。ちょうど良いホースが日本には無いのです。
15.9ミリにいれてみるとほんの少し緩い。

結局、口金の口の部分に銅線を一回りロウ付けして太くして、ホースを接続、バンドで止めることに。

 

どうもロウ付けは苦手です。どうやっても上手になりません。

できあがったホース

他の口金は15.9ミリのホースがぴったりなのでこのように。

で、取り付けてみる。

写真をよく見ると接続部にシリコンシールテープが見えるが、これは全く無意味。
シールが必要ないためのボールノーズ形状なのです。(フレアの逆の形状ですね)

これでオイルを入れてエンジンをかけてみると全く別な場所からだらーっとオイル漏れ。
怪しかったオイルクーラーホースはただのにじみだけだったのです。

漏れていたのはオイルフィルターからシリンダーブロックに戻るホースでした。
組んだエアクリーナーとか再度ばらして、オイルをまた抜いて、肝心なホースを取り外します。

外して怪しいところをカッターで削ってみると。破けています。
この部分、折れたり何かに当たったり、こすれたりする部分ではありませんでした。唐突にここで破けているのです。

他のホースと同じようにカシメを壊して作り直します。
こちらは細目のバンド2本で止めてみました。

片方はここに繋がります。インテープパイプ片方を取り外さないとアクセスできません。

32ミリの大型レンチでちまちま締めていきます。

使ったホースは

日本製 ブリヂストンのパスカラート

販売店の説明より抜粋

1)優れた耐久性

    4スパイラル特殊合成繊維で補強された3層構造で丈夫な造りです。
    衝撃圧力試験において、ISO1436タイプ1(15万回)、ISO1436タイプ2(20万回)を
    上回る40万回というブリヂストン独自の厳しい試験に合格した高品質な耐油ホースです。

 2)扱いやすさ

    耐久性の高いオイルホースでありながらワイヤー補強ホースではなく繊維補強ホースですので
    カットしやすくホースバンドで締め付けが可能です。

 3)柔軟性の良さ

    柔軟で最小曲げ半径が非常に小さいので配管の際、取り回しのしやすさの点で有利です。
    またホース自体が柔軟なのでオイル口への密着性も優秀です。

 4)耐候性の良さ

    外皮ゴムは耐候性に優れており、屋外使用などでホースが面する
    オゾン、紫外線、風雨、熱の影響への耐久性があります。

 内径 :15.9mm
 外径 :23.5mm
 使用可能用途 :鉱物油
 最高使用圧力 :35kgf/cm2(3.5MPa)
 最小破壊圧力 :140kgf/cm2(14.0MPa)
 内部流体温度 :100度
 推奨雰囲気温度 :-40〜70度
 最小取り回し半径 :110mm
 内管 :耐油性合成ゴム
 外管 :耐磨耗耐候性合成ゴム
 補強層 :2スパイラル特殊合成繊維

と言うやつです。

カシメ部分をホースバンドで固定しましたが、どのぐらい耐久性があるか気になるところです。

とりあえず作業終了。

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