ランチア・テーマ日記
LANCIA THEMA 8・32
2009年11月12日〜14日
大トラブルからの脱出37
今日の目標:走行
エンジンはかかりましたがいくつか問題点を残しておりました
1 オイルのメインパイプのジョイントよりオイル漏れ
2 ラジエターファンが回らない
3 ウォーターポンプからの水漏れ
です。
まずオイル漏れは増し締めで対応。
ラジエターファンは後付けファンリレーの接触不良でした。
一番の問題はウォーターポンプ。
初めての挑戦ですがエンジン車載のままウォーターポンプのフレーム全面部分を取り外してみます。
後側の部分にはサーモスタット、水温センサ、LLCパイプなどがついていますので
サージタンク、エアフロ、フューエルディストリビュータと全部外さないと取り出せません。
全面部分には可動部分のプーリ、ベアリング、シール、インペラーなどがついており
これを取り外せればOHなども安易に可能です。
まずは水抜き。8・32には9リットル近いLLCが入っています。
極力抜いておかないとウォーターポンプ全面を取り外したらそこからドバッと大量の水が出ます。
全部抜くのはほとんど不可能なのですがなるべく抜きます。
次はオルタ・ウオポンベルトのテンショナーを外しベルトも外します。
パワステポンプベルトのカバーを外します。
エアコンベルトテンショナーもゆるめてエアコンベルトも外しておきます。
ウオポンのプーリーをここで外しておきます。
オルタ・ウオポンベルトのテンショナーサポート金具を後バンクタイベルカバーから取り外します。
タイベルカバーの下4カ所のボルトを外します。
これでタイベルカバーがぐらぐらになり何とかウオポンを固定している13ミリのボルトにアクセスできます。
あとはもう一カ所13ミリのボルト1個と10ミリのボルト上2個、下1個外せばウオポン全面部分を取り出せます。
案の定ねじがゆるんだとたんLLCがウオポン下部からどばーっと出ちゃいました。
もうあきらめて、後で水をかけてLLCを流して自然乾燥させました。
タイベルにかかるといやだなあ。
ウオポンを取り外してみると、がーん!ケースが割れています。
でも水漏れはここからじゃなくシールからでした。
このウオポンは中古品ですがベアリングの程度が良いのでこれをばらして元々僕の車についていたウオポンとベアリングを交換します。
ウオポンの分解にはプレスが必要です。
僕は持っていないので簡易プレスを作ります。作ると言っても先日購入したエンジンクレーンのフレームと安物2トンジャッキを使うだけです。
ウオポンをばらしたらまずプーラーでプーリーのスポークを抜き取ります。圧入してあるだけです。
一カ所芋ねじがあるのでこれを外しておきます。
その後簡易プレスでシャフトの前側より押していきます。
ベアリングは長いので適当なソケット駒を当てものにして何回かに分けてベアリングをシールごと抜き取ります。
ベアリングを抜き取ったケース。見事に割れています。
メカニカルシールがシャフトに固着しているのでプーラーで抜き取ります。
抜き取ったベアリングです。
ちょうど芋ねじがつくところに穴があり清掃すると中のシャフトとグリスが見えます。
そこでシリンジを使ってグリスを注入してみます。
20ミリリットルのシリンジ3回入ったら前後のシールから古いグリスがにじみ出てきました。
ベアリングとケースを清掃した後、圧入です。まっすぐに入るように最初が肝心です。
圧入するときに芋ねじの穴の位置を確認しながら入れていきます。
芋ねじを入れます。
使ったメカニカルシールは日産ディーゼルの部品です。
8・32現役当時は皆このシールでOHしたそうです。
クラブメンバーからの情報で試してみました。
メカニカルシールのスプリングが入っている方、こちらにシール剤を塗ってポンプ本体に打ち込みます。
打ち込みはぴったり合うサイズのソケット駒を使います。
シールの一番上カーボンの部分に絶対に傷を付けないように注意です。
シール剤がきれいににじみ出ると良いです。このまま固まります。
もう一つの部品セラミックの部品を乗せます。
白い部分がセラミックで下の黒いカーボン部分とぴったりに接して水漏れを防ぐ仕組みです
セラミックの後側の黒い部分はゴムです。インペラーと密着します。
この辺の構造は純正とは違いますが日産の部品を信じて組んでいきます。
インペラーを取り付けて、すきまが規定値かどうか測定して組み立て完了。
液状ガスケットと紙ガスケットを併用して取り付けます。
紙ガスケットを使わないとあつみが足りずインペラーが壁に当たってこすれます。
組み上がって取り付けてみました。
すべてを組み直し、LLCを入れてエンジンを回してみます。
するとシールからの水漏れは無くなりました。
が!
別なところから水漏れが
増し締めするとさらに水漏れがひどくなりました。
そうです。
な
ん
と
このウオポンも割れちゃったのです!!!!
ガビーン!!
大ショック!
あと1つだけケースがあります。再生可能か友人に預けてあります。
ケースが届くまでの応急処置で、クイックスチールという強力エポキシ接着剤で着けてみました。
とりあえず水漏れもなく動きます。
でも耐久性は無いので車は使用しません。
毎日エンジンをかけて状況を見ていきます。
もう一つの問題点
ファンが回らない状況を直します。
LLCを抜いたついでにファン用の水温スイッチをラジエターから取り外します。
そしてこのスイッチがちゃんと作動するかテストします。
スイッチをフライパンを使って茹でます。
沸騰するとかちっと音がして2本の端子に導通があります。
テストは合格。スイッチは異常なしでした。
端子をきれいに磨き組み付けます。
ファンが回らない原因は後着けリレーの配線の接触不良でした。
すべて配線し直したら問題なく動作するようになりました。
あとウオポンのやり直しが残りますが一応完成です。
町内一回りしてみました。
以前よりなんだかスムーズな気がします。
もちろんエンジン音も変わったし。
なかなか感慨深かったです。
エンジンルームもとてもきれいになりました。
今後の調整は
ウオポンやり直し
アイドリング調整
オイルパイプ増し締め
プラグを新しいものに
ぐらいかな。
長かったなあ。