ランチア・テーマ日記
LANCIA THEMA 8・32
2008年2月1日
テンションプーリをオリジナルへ その1
ベアリングの破壊で応急処置としてジープチェロキーのテンションプーリを無理矢理つけていましたが
強度、耐久性を考えるとオリジナルに戻した方が良いので
がんばってベアリングを元に戻すことにしました。
問題はプーリーにはまりこんでいる破壊したベアリングのカラーです。
これがどうしても抜けない。
まずはカシメてある部分をざっとサンダーで削り、その後ドリルに取り付ける丸砥石で表面を綺麗に削りました。
その後ベアリングを抜くのですが、バイク・自転車用のベアリングプーラーでやってみましたが
引き抜く方向にねじを回していくと丸まったカラーの内側から爪が外れていくだけで
全然抜けないのです。
小型リューターに取り付けるマイクロサンダーでカットしようと試みましたが
ベアリングの鋼鉄は相当堅くいつまでたっても削れません。
いろいろ考えて、外れてしまうプーラーの爪の部分に適当な六角ナットを打ち込んで
外れないようにしてやってみたら簡単に抜くことができました。
上の写真、真ん中に見えるのが爪が滑らないようにするための打ち込んだナットです。
気持ちいいぐらいするする抜けてきました。
プーリーに入っていたベアリングはスウェーデンのSKFの5202でした。早速NSKのものを取り寄せました。
ジープチェロキーのテンションプーリは外形は8・32のものと外形は全く同じ、
でもベアリングはカナダ製FAG(ドイツ)の6203、全然違います。
一番スタンダードな単列深溝玉軸受です。
プーリの軸は片支持で、軸に対して直角にベルトに押しつけるので、ベアリングにかかる力もねじれます。
単列深溝玉軸受では耐久性に問題があります。
フェラーリのはこちら(SKF5202)
複列のアンギュラ玉軸受を使用しています。
アンギュラ玉軸受けはボールの接触面軸が回転軸と垂直じゃなく傾いています。
それを2列並べてあるので
片支持のプーリーのようなねじれた力が軸に加わるものにはより強度が出ます。
ただ残念ながらこのアンギュラ玉軸受はシールがないので
ゴミが入りやすいです。
たかだかベルトのテンションプーリですが、ベアリングのこといろいろ調べていたら
フェラーリのエンジンは汎用ベアリング使用であっても
ちゃんと考えたものを使っていると言うことが判りました。
ん〜良いお勉強になった。
次はベアリングをプーリに圧入して再生します。