ランチア・テーマ修理日記

LANCIA THEMA TURBO 16v

2005年5月22日

エアコン大修理(エバポレーターばらし)その4

朝、まだ子供が寝ているうちに作業しました。
今日は配管内をチェックし清掃するために
エバポレーター、エキスパンションバルブ、リキッドタンク等をばらしました。

最初にエンジンルームとの境にあるバーチクルボード製バルクヘッドをゆるめます。
次にリキッドタンクに繋がっている高圧パイプのナットをゆるめて外します。
ただ回すとリキッドタンクのパイプがねじ切れてしまうのでサイトグラスあたりにスパナを咬ませます。

左側で使っているのはクローフットタイプのフレアナットスパナです。

次はエバポレーターの出口に繋がる低圧側のナットをゆるめて外します。

低圧側パイプのナットをゆるめたところ。丸い円盤はエキスパンションバルブの頭です。

ユニット全体を固定しているボルト2本を外し、配線のカプラをすべて外します。
じゃまなのでファンスピードレギュレーター(パワートランジスタ)もとっちゃいます。
するとユニット全体がゆるゆるになるのですが、幅が足りず出てきません。
引っかかっている点火コイルを一つ外してようやくばらせました。

 

ユニット外したあとは砂だらけでした。

ユニットを外に出してから、リキッドタンクとエキスパンションバルブを外します。

ガス漏れしないように結構がっちり締めてあります。なめないように注意が必要。
フレアナットスパナの方が良いのですが19より大きいの無いんです。

プラスチックのユニットボックスは数カ所のクリップでとまっているのでラジオペンチですべてはずすと
二つに割れます。中にあるエバポレーターに傷つけないように慎重にばらします。

 

エバポレーター、下の方が錆びている!ドレンが詰まっていると結露した水滴が溜まるんだろうなあ。
良くここが黴くさくなるというけれど、僕のは黴びていませんでした。

 

左はリキッドタンク、湿気を嫌うそうなのでいちおうラップで口を止めておきました。
右は凍結防止サーモスタット。

こちらはエキスパンションバルブです。ここで高圧の液化した冷媒をスプレーのように吹いて気化させることにより
蒸発するとき熱を奪い周りの温度を下げます。(蒸発熱、融解熱、昇華熱、ともいいますね)

話は全然変わるのですが、冬山や雪の中でキャンプするときテントの中でもすごく寒くなるのですが
テントの端に鍋に水を入れておいておくのです。するとこの水が凍るときに(液体が固体になるときに)熱を出します
(凝縮熱、凝固熱、凝着熱といいます)これで明け方の厳しい冷え込みを少々抑えることができるのです。
また夏の暑い日、軍用スタイルのアルマイトの布ケース付きの水筒に水を入れ、布ケースをびしょびしょに濡らしておき
日向にぶら下げておくと蒸発熱で水が冷えて冷たい水が飲めるのです。素焼きの瓶の肌をびしょびしょにしておくのも同じ理由です。
(ドリチャンは元ボーイスカウトのリーダーでキャンプの達人なのでした)

エキスパンションバルブはスプレーの口のような構造なのでゴミが詰まりやすいのです。詰まると普通は交換です。
このタイプはエバポレーターの温度変化でダイアフラムを変形させ膨張弁のすき間(圧力)をコントロールするタイプです。

エキスパンションバルブの前にあるリキッドタンクは
高圧で液化させた冷媒を一時ためておくのが役割で、このタンクの中には乾燥剤が水分除去のために入れてあります。
乾燥剤のかけらが外に出ないように密閉してあるのですがどうしても古くなると構造上かけらが
エキスパンションバルブに行ってしまうのです。そうするとエキスパンションバルブが詰まり、いわゆるエアコン故障となるのです。
ですからエアコン修理の時にはリキタン、エキパン交換が当たり前なのです。
テーマの場合両方で7万円ぐらいします。国産車だったら両方で1万5千円ぐらいです。
僕の場合故障直前まで綺麗に流れていたのでこのまま使います。
でも通常はコンプレッサーが破壊で壊れた場合金属片などが回路内に入ってしまうので
エキスパンションバルブが詰まる原因になります。ですから本当は新品に交換するべきなのです。

エキスパンションバルブの冷媒入り口には金網状のフィルターが付けてあります。

 

ピンぼけですが左は外したばかりのもの、ゴミが付着しています。
右はクリーナーで洗ったあとです。

今日はここまで

今まで入っていたオイルはもちろんR12用のもので、今度コンプレッサーに入れたのはR134a用のオイルです。
この二つのオイルは非常に相性が悪く混ぜても分離してしまうのです。
ですから次回は回路内に残る古い油を綺麗に洗浄してゼロにします。


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