ランチア・テーマ修理日記

LANCIA THEMA TURBO 16v

2005年5月19日

エアコン大修理(コンプレッサーリビルド)その3

18日仕事から帰って19日深夜コンプレッサーのリビルドに挑戦。

風呂場でSD709のケースを強力洗剤でごしごし洗い、完全乾燥させます。

SD7H15をばらします。こちらからはピストン、スラストベアリングなどを使います。

 

SD7H15の方は内部がとても綺麗です。摩耗のあとも見られません。
右はピストンのユニットを外したところ。
壊れたSD709のものは摩耗でぐらぐらでした。
こちらはガタが無くピストンを外すとそのまま固まっていてくれるので、挿入が楽です。

非回転ギアとボール、スプリングは程度の良いSD7H15のを利用します。

 

バルブとベアリングにオイルを供給するパイプの仕組みが新旧で違っていました。
左のSD709のものは折れたピストンのせいで折れ曲がっていました。
結局このパイプを取り去りました。

 

SD709に部品を組んでいきます。
一番の心配は7つのピストンが上手く入るかでしたが、コンロッドのボールジョイントにガタがまったくなく
ぐらぐらしないのですんなりいきました。

 

ベアリングを載せてフロントカバーのユニットを載せて、ボルトを固定します。

深夜の室内作業はここまで。綺麗になりました。

 

朝、作業再開です。ソレノイドを固定します。新旧部品で大差なかったので専用コネクターの付いたテーマのものを使用しました。
右はテーマのセンターシャフトのシール(Oリング)です。
綺麗に割れています。多分ここからガスとオイルが漏れたのだと思います。

プーリーを取り付けて、クラッチを取り付けて完成です。
見た目はすごく綺麗です、でもガスが漏れないと良いのですが。
電気ドリルでコンプレッサーを回してやると特に異音もなくなめらかに回ります。
ガス出口を密閉してヘッド接合部に洗剤液を付け、ガス入り口からポンプで空気を入れてやる簡易テストでは
どこからも漏れはありませんでした。でも高圧に耐えるかは実際に冷媒を入れてみなければ判りません。

 

オイル注入口のボルトのシールもR134a用に変えます。
右は新しいオイルを入れているところ。
漏斗などいちいち買いません。紙とクリップで十分。

オイルの量は、サンデンのマニュアルによると
テーマののエアコンシステムはTXV*なのでオイル量は

((冷媒ガス量g×0.06)+60)÷0.9=オイル量cc

というわけでテーマの場合は

((700g×0.06)+60)÷0.9=113cc

計量カップで量って入れました。コンプレッサー取付中に漏れないようにガス口に栓をしておきます。

*TXV サーマルエキスパンションバルブシステム=エキスパンションバルブがサーモになっていて圧力を調整するヨーロッパ車に多いタイプ。
対してCCOT サイクリングクラッチオリフィスチューブシステム=断続的にクラッチを切ることによって圧力を調整するというアメ車に多いタイプ。

 

テーマに取り付けて、高圧、低圧パイプ両方のOリングもR134a用に交換して組み付けました。

当初、高圧パイプのカシメ部分から漏れているのかと思いましたがよく見てみると漏れたあとはなく
クラッチ部分の汚れがひどいのでやはりセンターシャフトの割れたOリングから漏れたのかもしれません。

まだ冷媒は入れていませんがとりあえずこれで走れます。
今日はここまで。

 


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