ランチア・テーマ修理日記

LANCIA THEMA TURBO 16v

2004年4月23日

番外編! ライカRレンズのカム改造

今日はテーマいじりではありません。テーマを撮影するカメラの話です。

子供が生まれてから写真を撮る機会がすごく多くなりました。
どうせとるならいい写真を撮ろうということでデジカメじゃなく古い一眼レフでチャレンジしています。

現在使用のカメラはライカR4sです。ライカの一眼はミノルタの血がたっぷり入っていて
製造もポルトガルなのでライカファンからはゲテモノ扱いされています。
でもレンズはすばらしいものが多いので、ボディはレンズとフィルムの橋渡し役とわりきって使っています。

不人気のため機材が安く手にはいるので貧乏だけれどいいレンズを使いたい僕にはもってこいです。

ライカの一眼が難しいのはマウントは一緒なのですが時代によってボディとレンズの絞り情報の連動のさせ方が違っていて大きく4通りあるのです。

ライカ一眼用のレンズの種類は以下の通りです。(ライカRファンクラブのwebより無許可転載)

1カム(のみ) Leicaflex での測光。(外部測光従って露出計の開放値設定のみの機能)SL-R7 での絞り込み測光。R8/R9 使用不可。
1カム+2カム(通常2カムと呼ぶ) Leicaflex, SL, SL2 での開放測光。R3-R7 での絞り込み測光。R8/R9 使用不可。
1カム+2カム+3(R)カム(通常3カムと呼ぶ) Leicaflex, SL, SL2 での開放測光。(但し、使用レンズに制限あり。)R3-R7 での開放測光。R8/R9 での開放測光。
3(R)カム(のみ)(通常Rカムと呼ぶ) Leicaflex, SL, SL2 での絞り込み測光。R3-R7, R8/R9 での開放測光。
3(R)カム(のみ)+ROM(通常ROMと呼ぶ) Leicaflex, SL, SL2 使用不可。(ボディ側のピンが、レンズのROM接点を障害。)R3-R7, R8/R9 での開放測光及びストロボTTL時の距離情報伝達。

僕のR4sでは上記表の赤で記載されているタイプのレンズでのみ快適に使用できるのです。古いレンズでは解放測光ができないのです。

そこで先日オークションにて格安で落札した2カムのレンズをいじってRカム仕様に改造してみることにしました。
参考にしたのはこちらのページです。

絞りの情報は解放絞りから何段絞ったかをカメラに伝えるだけなので
どのレンズでもRカムの取り付け位置は同じだそうです。
すでに所有しているRカムレンズをばらして位置と形状をチェックします。

本物のRカムから寸法取りしたプラスチックです。
金属も考えましたが接着がはがれてしまったときのレンズへのダメージを考えてプラスチックにしました。
材料はなんと洗濯洗剤に入っている計量カップです。

加工するレンズの2カムの部分に借り留めで貼り付けてみました。

仮組みしたカムをレンズに取り付けてみます。
厚みがあるので遮光板がセットできません。
プラスチックと遮光板両方を少し削りました。

 

左上の写真は2カムのレンズを取り付けたときのカムの接続状況です。絞りを絞っていくとボディ側のRカムの隙間に入っていってしまします。
右上の写真は正しい組み合わせ。Rカムのレンズを取り付けたところです。ボディのカムにちゃんと引っかかっています。

余計なものを2カムに貼り付けるので可動部の動きが悪くならないように
遮光板を加工します。約0.5ミリほど削りました。

2カムに追加Rカムを取り付けたところです。エポキシボンドで付けました。
瞬間接着剤は硬化する過程で出る蒸気がレンズを白く汚してしまうので絶対にだめです。

実際に取り付けた状況です。

僕のカメラはR4sなので絞り優先オートで解放測光するためにこの改造を行いましたが
この程度の工作ではカメラ側が絞りをコントロールするようなシャッター優先オートの機能があるR4等のボディでは
正確に作動しないと思いますので、ご自分でやられる方は、ご自分の機材をよく確かめてリスク承知で行ってください。

あとはテスト撮影です。耐久性と精度はありませんが実用には耐えるでしょう。


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