「TATOOー刺青ー」

昨天、はじめてL&G映画祭いってきました。やたらカップル率が多いなとロビー
でみていたら、と中でカップルの男の方が女性であるコトに気がつきました。どん
だけ〜、まれに男性をみかけるとホッとしましたがつかの間、オネェ言葉だったり、
ギャー、おそらくジャングルにはいった時にしか発動しないであろう危険察知能力
が作動しました。しかしそんなテンションのみなさんが映画がはじまると静まりか
えり、上映後、一部で拍手がおきていた。この「TATOOー刺青ー」は台湾映画
で原題の「Spider Lilies」の文字どうり彼岸花の刺青をしている竹
子と違法サイトのネットアイドル、小緑のはつ恋を描いた百合族映画。キュートで
小悪魔的なネットアイドルに扮したのは台湾の人気アイドル、レイニー・ヤン(楊
丞琳)。彫師の竹子に国際的評価も高い香港の女優、イザベラ・リョン(梁洛施)。

この映画、ラブシーンそっちのけで話しが練られていて深い作品です。竹子は昔の
彼女とベッドにいる間に地震がおき、父親を(弟は記憶を)なくしてしまいます。
なのでビアンであることにも自責を感じ、父親と同じ彼岸花の刺青を左腕にいれ、
弟のために仕事ひとすじで生きています。一方、ネットアイドルの小緑もあの日を
境に寂寞感をぬぐえなくなりました。そんな小緑のひとすじの光りがあのひとへの
はつ恋だったのです。あれから時がたち、小緑はあの刺青に再会しました。いまだ
に寂寞感をぬぐえぬままの小緑はこの刺青から活路を見いだそうとします。はつ恋
のあのひとに同じ刺青を自らいれてもらうことによって…。

ひとは誰でもこころに一つや二つのキズをかくして生きていると思います。そして
皆、キズをひきずりながらもけんめいに生きていると思います。それはいつか自ら
の力で克服してやろうと思ってるからだと思いますが、どこかでそっと誰かに癒し
てもらえたらな、とも思うのではないでしょうか。この映画は今年のベルリン国際
映画祭でテディ賞を受賞、ご当地、台湾では異例のヒットを飛ばしているそうです。


 
「誰かがあなたを愛してる」

先述したDANさんやヤンヤン監督もお気に入りの「誰かがあなたを愛してる」
はいかようなモノなのか、DVDを買ひ(1,800円だよ、安!)早速みた。
ぶっちゃけていいスか?、うわー、いい映画だった…。このチョウ・ユンファ
とチェリー・チェンの並びの程良さは何なのだろう、ありきたりなコトバだが
絵になっていて、映画をみたという感じがした。チョウ・ユンファのあのハニ
かんだ笑顔はそうお目にかかれるものではない、日本ではまずないが、しいて
あげれば貴乃花親方(バナナマンの日村がやる幼少期のではなく、いまの…)。
チェリー・チェンは南方系のアジアン・ビューティーだ。つまりこれは香港映
画なのだが場所はニューヨーク、素直に馴染めない移民文化をけなげに描いて
いる。ひと目インテリジェンスな二人だが、その純真さは、けしてインテリ層
だったワケではないティーンの頃と無関係ではない(チョウ・ユンファは中學
時代からアルバイトを経験、チェリー・チェンも17才からOLをしていた)。
日々葛藤しつつもなにげない日々の積み重ねが二人をドキドキさせていく。が
しかし、素直になれなくて、失ってはじめて存在の大きさに気づく。最后は…。


 
「翔んだカップル」

相米慎二監督のデビュー作「翔んだカップル」をみてきた。ボクに
とって「翔んだカップル」は10代のころエビ天というイカ天に対
抗した自主映画番組があって(イチローの奥さんが司会をしてた)、
その審査員をしてた武藤起一さんが「映画愛」という本のなかで「
私は「翔んだカップル」を劇場で6回みた」とかいてあってぜひみ
たい!と当時ツタヤみたく大型レンタル店てなく、映研の後輩と八
王子のレンタル店まで借りにいった記憶がある。そんな青春映画の
金字塔「翔んだカップル」は80年代もっとも活やくした相米監督
が薬師丸ひろ子をみつけたところから始まる(監督と女優の出逢い
ってわくわくしますね、人生でそう何度もあるもんじゃないだろう
し)。この映画やたらとキャストの平均年齢がひくく薬師丸ひろ子
も鶴見辰吾も尾美としのりも成長期でビミョーにコンパクトなのが
笑える。薬師丸ひろ子は玉のよう、ああ10代の俳優さんていいな。
当時はアニメ「まことちゃん」と同時上映で場内を子供たちが走り
回ってるダメだこりゃな公開だったそうですが名作はぷすぷすとな
かなか火が消えないもんですネ。’80年封切(今日の上映はオリ
ジナル版)、九州から上京してきた田代勇介は叔父の留守宅に住む
ことになったが不動産屋に仲介してもらった間借人はなんとクラス
メートの美少女、山葉圭ちゃんだった…。とびきりキュートな思春
期ばくれつムービー。脚本・丸山昇一、東宝キティ・フィルム作品。